2016年5月3日
JCの会議に参加するために支払った交通費は給与!
ただいまGW真っただ中です。
皆さまも旅行などでお出かけでしょうか。
経営者の皆さんも日頃は出張や視察旅行などが多いですよね。
今回ご紹介するのは、JC(青年会議所)の会議に出席するために支払った旅費が、
「交通費」ではなく「給与」だという事例です。
国税不服審判所の事例に追加されていますので、詳細はそちらで確認できます。
若手の経営者さんはJCに入会されている方も多いので
「えっ!?」と思われたかもしれません。
法人税基本通達9-7-15の2にはこのようにかかれています。
これをもとに旅費として計上しているのではないでしょうか。
法人がロータリークラブ又はライオンズクラブに対する入会金又は会費等を負担した場合には、次による。(昭55年直法2-15「十六」により追加)
(1) 入会金又は経常会費として負担した金額については、その支出をした日の属する事業年度の交際費とする。
(2) (1)以外に負担した金額については、その支出の目的に応じて寄附金又は交際費とする。
ただし、会員たる特定の役員又は使用人の負担すべきものであると認められる場合には、当該負担した金額に相当する金額は、当該役員又は使用人に対する給与とする。
さて
JCの会議に出席する費用は事業における経費だと思って「交通費」として経費に入れたのですが、
税務署は「交通費」ではなく「給与」と主張したんですね。基本通達の「ただし書き」以降を根拠としたのです。
そこで争いになり、不服審判所に持ち込まれました。
ちょっと待って。どちらも経費でしょ。利益は変わらないんじゃない?
そう思った方、会計の勉強をしっかりされています。
その通りです。
しかし、納める税金は変わってきちゃうんです。
法人税法上では会計と取り扱いが違うので要注意なんですね!
役員に対する給与は、原則として定額でないといけないのです。
余分に支払った「給与」は「賞与」とされてしまいます。
法人税法では税金計算するとき
「給与」は経費です
でも
「役員への賞与」は経費ではありません
となっているのです。
経費にならないので法人税はそのまま。
役員への賞与は、利益が出ている時に経営者が恣意的に行なうと
「利益操作」につながるとして認めていないのです。
つまり税金を故意に少なくする行為はダメよ、ということなんです。
役員賞与となってしまうと
法人税もかかってくるし、
個人の所得税もかかってきて、
源泉所得税として会社は追徴で支払わなければならず、
ダブルで課税となり、けっこうな痛手なのです。
あらら~~
ウチでもそうしている、どうしよう?
そう思った経営者の皆さん、
課税されない方法もありますよ。
ヒントは「賞与」でなく「給与」なら課税されないということ。
そういうときこそ信頼のおける税理士に相談してみてくださいね。
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