2024年12月10日
給与所得控除と基礎控除
さて先の選挙で国民民主党が公約した「103万円の壁」の引き上げが議論されることになりました。
ところで皆さんはこの103万円の壁についてどう理解していますか。
税金がかからない給料の上限、ハイ正解です。
ではもう少し深堀りしていきましょう。
税金がかかるのは儲けです
税金は収入の金額全部にかかるのではありません。
税金は儲け、会計の言葉でいえば利益に税金がかかります。
会社でいえば売上があり、経費があり、その差額が利益となります。
サラリーマンでいえば、給与明細総額、つまり収入金額が売上にあたります。
では経費はどう計算されるのでしょうか。
サラリーマンといえども、パソコンを買ったり、本を買って勉強したり、
時にはセミナー代を払って勉強をすることもあるかもしれませんね。
これらはもちろん経費になりますので、集計をして確定申告してもちろん構いません。
税務ではサラリーマンの経費相当分を給与所得控除として利益を計算します。
税務では利益と言わず所得といいます。ややこしいですね。
給与所得控除は収入金額の25~30%くらいに定められていますので(高額給与になると一定額です)、
ほとんどの方が実費の経費計算を選択しません。
給与所得控除の最下限は55万円となっています。
だから年間給与が55万円までなら、利益はゼロ、
だから税金はかからない、ということです。
基礎控除とは
基礎控除とは何でしょうか。
これはすべての納税者が持っている非課税枠だとお考え下さい。
わが国では憲法25条に生存権を定めており、これに基づくものとして基礎控除が定められていると考えられます。
つまり最低限の生活保障という性格を持ちます。
基礎控除の金額は長らく38万円でしたが、2019年から48万円に引き上げられています。
103万円の壁の正体
先の述べた給与所得控除の55万円と、基礎控除48万円を合わせると103万円になります。
これが103万円の正体です。
だから両方足した控除の枠内であれば、税金はかからない、ということです。
でも基礎控除の48万円ってどうなんでしょう?
48万円は12か月で割ればひと月4万円です。
「え~?月に4万円では生きていく保証なんて得られないよ!」
私もそう思います。
いまどきなら10万円くらいが妥当かな、と思います。
であれば基礎控除は120万円。
給与所得控除を合わせれば175万円。
これが適正な非課税収入の下限となるのかもしれませんね。
ちなみに
年金収入の場合、65歳以上の方の年金控除は110万円です。
お年寄りには考慮されているようです。
【名古屋発!税理士アニキの感動!笑売】
は毎月10 日に更新します。
お楽しみに!