2025年6月12日
交際費が損金になるポイント
事業をしていると、様々な場面で「交際費」が発生します。
経営者の皆様から「領収書があれば経費になるよね?」
よく言われますが、経費とは何か?を正しく理解する必要があります。
経費と損金
経費とは、事業に必要な支出のことです。
経費は会計上の概念で、企業会計原則などに定められたルールに則っていれば、全額計上が認められます。
一方で、法人税法上の概念である損金の場合は、会計上の費用であっても、
一部または全部の計上が認められないことがあります。
法人税の計算では、計上自体を認めるべきではない費用や、
計上できる金額に制限を設けるべき費用があるのです。
税金計算する時は、これらは「有税経費」と言われ、
経費で支出したにもかかわらず税金も支出することになり、お金が会社から出て行ってしまします。
交際費が損金になるのは
交際費はもちろん経費、と言いたいのですが、税務上は要注意です。
現在、損金に含められる交際費の上限は、
① 資本金が1億円超の大企業なら「交際費のうち、飲食費の50%」
② 資本金が1億円以下の中小企業なら「交際費のうち飲食費の50%か、または800万円のどちらか多い方」
③ 個人事業主は「上限なし」
と定められています。
なんだ、個人事業主だったらいくらでもいいんだ!
交際費という勘定科目でなければいいのか!
いえ、それは誤りです。
個人事業主といえども、「事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答このほかこれらに類する行為のためにする支出」でないと経費として認められません。
個人の所得税の調査では、個人のプライベートとの切り分けを厳しく見られます。
交際費ではなく他の勘定科目でも、税法は実質で判断することにされています。
会議費や旅費、福利厚生費にしていても、内容が交際費に相当するものは交際費として損金判断がなされます。
交際費が損金となるポイント
一つ目のポイントは、「仕事に関係があるのか」。
例えば社長が一人で飲みに出かけたものは、たとえ領収書があってもプライベートの飲食です。
部下を連れて飲みに出かける「社内交際費」でも、特定の部下とだけしょっちゅう飲みに行くようであれば、
交際費ではなく給与として源泉課税されることになるでしょう。
二つ目のポイントは、「仕事に関係のある飲食と証明できるか」。
領収書はもちろん、参加者の氏名、会社名など関係性を示すもの、人数を記録しておくことが税務調査時に役立ちます。
三つ目のポイントは、「その額が常識範囲内か」。
例えば取引先との二人での飲食にかかわらず、100万円だったらいかがでしょうか。
税務調査では、その事実認定は厳しく追及されます。
あくまで常識範囲というのは定まっていないため、取引記録や関係性など合理的な説明が出来れば、損金として認められるでしょう。
少し前に巨人の坂本選手が、税務調査で2億4千万の申告漏れを指摘されました。
銀座のクラブでの飲食を経費で申告したが否認されたようです。
もちろん、クラブやキャバクラなど女性が接待するお店(風俗店など怪しいところはダメですよ)で、
得意先を接待することは交際費として認めらます。
ただし状況や金額によっては否認のリスクがあると言えます。
そもそも交際費に含まれない「飲食代1万円ルール」もあります。
この経費は「交際費」?
迷ったら信頼のおける税理士にしっかり教えてもらってくださいね。
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