2025年5月10日
損益分岐点を知ると何が分かるか
「損益分岐点」とは何かご存じでしょうか?
経営者なら一度は聞いたことがあるかもしれませんね。
「でもなんだか分かりにくいなぁ」というイメージの方も多いかと思います。
損益分岐点を知ると何が分かるのでしょうか。
損益分岐点とは
事業を経営するうえで、経営者が重要視するポイントはいくつもあります。
会計の面では損益分岐点がそれにあたります。
まず、経営とは何かを考えましょう。
その答えは、利益を出して継続していくこと、つまりゴーイング・コンサーンです。
具体的にいえば、
経営とは、売上ゼロでもかかる経費(固定費)を粗利益(儲け)を上げてまかなっていく行為
なのです。
そこで経営者にとって一番関心があるのが、
現在の経費(固定費)をまかなうには、いくら売上げれば良いか
ではないでしょうか。
その売上高のことを損益分岐点売上高といいます。
つまり、損益分岐点売上高は採算のとれる(トントンになる)売上高のことです。
使った経費を回収できる売上高ともいえます。
変動費と固定費
損益分岐点売上高の求め方は以下の算式によります。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ (1-変動費/売上高)
この式を覚えて使いこなせる方、素晴らしい!
この算式を見て分かるように、自社の損益分岐点を出そうと思うと、
経費を変動費と固定費とに分けることが必要になります。
変動費とは、事業を営むうえでかかる経費のうち、
売上や生産量、販売数に比例して増減する経費のことです。
原材料費や仕入原価、販売手数料、外注費、支払運賃、派遣社員や契約社員の給与などが該当します。
売上が増えれば増加し、減れば減少する経費のことです。
一方、固定費とは、事業を営むうえでかかる経費のうち、
売上高や販売数量にかかわらず、常に一定の期間で発生する費用のことです。
従業員の給与や賞与、福利厚生費、設備の減価償却費、オフィスや店舗の家賃、光熱費などが該当します。
売上や販売数量の増減にかかわらず、支払う額はほぼ変わりません。
経営者の方が見ている損益計算書では、この様な区分はしていませんが、
ざっくり見るなら、仕入や売上原価は変動費、販売費および一般管理費が固定費とみてもいいでしょう。
損益分岐点売上比率で診断
自社の損益分岐点売上高が分かったのなら、損益分岐点売上比率を求めてみましょう。
損益分岐点売上比率は以下の算式で求めます。
損益分岐点売上比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高
いま手元にある損益計算書からこの比率を出してみます。
例えば、損益分岐点売上高が4,000万円で、実際の売上高が5,000万円だとします。
すると4,000万円 ÷ 5,000万円 = 80%
損益分岐点売上比率が表わしているのは、
固定費を粗利益でどれだけ余裕をもってまかなっているか、が分かります。
従って低くなればなるほど、優秀です。
- 100以上‥採算がとれていません。赤字です。経営改善をすぐしてください。
- 90台‥利益は出ているけれど、納税の支払いや借入金の返済が困難です。
- 80台‥経営は順調、なかなかですね。
- 70台‥経営は優良です。経営者の腕前は大したものです。
- 60台‥経営は超優良です。収益力抜群です。メジャー級!
損益分岐点売上比率は、ゴルフをやっている方ならイメージしやすいかもしれませんね。
とはいえ、損益計算書を分析するのはいろいろな視点が必要です。
そんな時こそ、信頼のおける税理士と話し合い、経営に生かせる決算書を作って生きましょうね。
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