愛知・岐阜・三重の会社を本気で成長させたい経営者様を全力で応援します。

榊原輝重税理士事務所

052-761-3533
名古屋発 税理士アニキの感動!笑売

2025年3月10日

所得税の累進課税、勘違いしてませんか?

間もなく確定申告期限です。

すでに申告は終わりましたか?それとも追い込み中?

 

さて

先日こんな質問がありました。

「転職することになり、給料が上がるのは嬉しいのですが、

税率も上がってしまうので、手取りが減っちゃうんでしょうか、、、?」

「え、どういうこと?」

「900万円を超えると累進課税で税率が23%から33%と10%も上がるなら、

900万円ぎりぎり下回るようにした方がいいですかね?」

アレレ~

累進課税について、勘違いがあるようです。

 

 

わが国の所得税は累進課税です

 

 

累進課税制度は、課税金額が高くなるほど税金が高くなる仕組みです。

だから儲け(所得)が多い人ほど税金が高くなります。

ちなみにわが国で累進課税制度を採用しているのは、所得税、相続税、贈与税の3つとなっています。

 

ところで、

累進課税には、単純累進課税超過累進課税のふたつがあります。

単純累進課税は、課税金額が一定額を超えると、課税金額全体に高い税率をかけます。

一方で超過累進課税では、課税金額が一定額を超えると、超えた部分のみに高い税率がかかります。

 

 

単純と超過での税額の違い

 

 

さっきの質問は「単純累進課税」だと勘違いしたのですね。

日本で使われているのは超過累進課税です。

税率は以下の通りに定められています。

 

  • 195万円以下 5%
  • 195万~330万円以下 10%
  • 330万~695万以下  20%
  • 695万~900万以下  23%
  • 900万~1,800万以下  33%
  • 1,800万~4,000万以下 40%
  • 4,000万超  45%

 

例えば、給与所得が910万円だったとしましょう。

195万までは5%ですので、税額は9万7500円

195万~330万までは10%ですので、税額は13万5千円

330万~695万までは20%ですので、税額は73万円

695万~900万までは23%ですので、税額は47万1500円

900万~910万までは33%ですので、税額は3万3千円

これらを合計します。

146万7千円が支払う税金となります。

 

もしこれが単純推進課税だと

910万×33%=300万3千円

倍以上ですね!

 

緩やかに税金が増えるように設計されているんですね。

ほっとしました。

 

巷では、お金持ちの方が「日本は税金が高くて半分税金に持っていかれる」

と聞きます。

たしかに住民税が10%ですので(住民税は一定率です)

最高税率は45+10=55%となります。

ウン億円も稼ぐ人は、そう感じるかもしれませんね(汗)。

 

 

税金がかかるのは年収額ではありません

 

 

「あなたの年収はいくらですか?」

サラリーマンなら年収額が気になる所ですが、

税金計算では収入額に税金がかかるわけではありません。

 

お給料の経費にあたる給与所得控除を引いたあとの、

利益に相当する給与所得、

それから個人的な事情を加味した所得控除を引いた後の

課税標準に税率をかけて計算します。

 

だから年収が900万だとしても、給与所得は705万円、

所得控除が仮に150万あれば、課税標準は555万円になります。

早とちりしないでくださいね。

 

サラリーマンだと通帳の手取り額を気にしますが、

税金の計算の理解が深まれば

「なるほど、そういうことか」と思うかもしれません。

 

 

【名古屋発!税理士アニキの感動!笑売】
は毎月10 日に更新します。
お楽しみに!

会社のこと・税務のこと何でもお気軽にご相談下さい