2022年1月12日
電子帳簿保存法について2年間の猶予期間?
昨年度の税制改正で、電子帳簿保存法の改正があり、
平成4年より電子取引については書面による打ち出し保存が認められなくなりました。
その場合青色取り消しの罰則が明記されたため、
ITリテラシーなど環境が不十分な家族経営や零細企業にとって、
「これは大変厳しい内容だなぁ」と思っておりました。
12月の税制大綱
案の定、そういった声が政府にも届いたのでしょう、
12月の税制大綱、自民党が12月10日に出したのですが、に
「電子帳簿保存法の取引情報に掛る電磁的記録の保存への円滑な移行のための宥恕措置の整備」
が書き加えられました。
法律が実施される前の一か月もないこの時期においては異例です。
実際の現場サイドからはかなり厳しいところもあったので、ほっとする反面、
法律作成において、多くの家族経営、零細企業に寄り添わない丁寧さに欠ける印象を持ちました。
延期ではなく宥恕
メディアでの報道ですと
「延期」「猶予期間」
と見出しが出ているところもありますが、正しくは
「宥恕(ゆうじょ)」
です。
そもそも「宥恕」ってどういう意味ですか?
使い慣れない言葉ですので理解が難しいです。
宥恕とは、寛大な心で許すことです。
え?許す?
つまり2年間は期限延長や猶予期間ではありません。
やれていないけど大目に見て許してあげる、という意味です。
電子帳簿保存法の改正は予定通り始まっているのです。
大目に見てもらえるのは
税務署長が、電子取引の保存要件に従って、電子的に保存できなかったことについて「やむを得ない事情」があること
とされています。
じゃあ「やむを得ない事情」って何よ?ということが問題ですね。
これ以上は何も書かれていないので、何ともコメントしようがありません。
何もしなくて良いというような無条件ではなさそうです。
現時点での私の理解なら、
電子帳簿保存法の改正に合わせて経理を行いったうえで、
ケースによっては出来なかった、
そういう時は紙で保存は認めるけど、理由ははっきりさせてね。
そういうことかなと思います。
まだ2年ある、そう思わずしっかり手当てを始めていきましょう。
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