2023年5月12日
長年連れ添った妻へ自宅を贈与
3月のメルマガでは「生前贈与の相続財産への加算期間の延長」についてお伝えしました。
基礎控除内の贈与であったとしても、亡くなる7年前までさかのぼって相続税を課税する、という内容でした。
今回は贈与税の配偶者特別控除についてお話します。
こちらも相続税対策として知っておいてほしい内容です。
贈与税の配偶者控除とは
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。
長年寄り添った夫婦だから、夫が建てた自宅(夫名義の不動産)を妻へプレゼントするとします。
この特例を使えば、2,000万円まで贈与税はかかりません。
贈与税にすると695万円分が節税となります。
ただし不動産取得税と登録免許税はかかりますのでご容赦ください。
特例を受ける要件
特例を受けるには要件があります。
- 婚姻期間が20年以上であること
- 今までに配偶者控除を受けていないこと(同一夫婦間で1度だけ)
- 贈与財産は、居住用不動産又は、居住用不動産の取得資金のいずれかであること
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された(又は取得した)居住用不動産を居住の用に供し、その後も引き続き居住する見込であること
- 贈与税の申告をすること
これらすべてを満たす必要があります。
相続税対策のポイント
相続税対策の考え方は二つあります。
ひとつは、相続財産そのものを減らすこと
もうひとつは、相続財産の評価を下げること
自宅を配偶者へ贈与するということは相続財産そのものを減らすことになるため、節税対策になります。
そして
贈与税の配偶者控除を適用した贈与は、相続開始前7年以内の生前贈与加算の対象となっていません。
これも大きな節税ポイントになります。
また将来自宅を売ることになるかもしれません。
この特例を適用して、居住用財産を夫婦の共有財産にしておけば、
「居住用財産の売却益に対する3,000万円の特別控除」
という特例を夫婦で適用することができます。
つまり合計で6,000万の売却益まで税金がかからなくすることが可能です。
大きく立派な家や土地の評価が高い土地にお住まいなら検討すると良いと思います。
ただし3,000万円の特別控除の特例は、
土地の場合、家屋とともに譲渡する土地に限られるため、
居住用不動産を配偶者に贈与する時には、土地と家屋を併せて贈与しておくことが必要になります。
夫婦を20年以上している方で、相続対策を考えている方は、信頼のおける税理士に相談してくださいね。
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お楽しみに