2016年8月3日
そもそもですが、103万円の壁って何?
専業主婦の方がよく言われるものに「103万円の壁」があります。
ああ、よく聞くアレね!
でも、知っていても意外と説明するのが難しいのです。
大学でビジネス実務を教えているのですが、女子学生からも質問がありました。
「先生、103万までは税金がかからないんですよね!
バイトしすぎるとお父さんからそれ以上するなと言われるんですけどぉ」
確かに合ってはいるのですが、イマイチ、惜しい。
ここで問題になっている103万というのは、お給料でもらう年額が103万円のことです。
金額の年額は暦年基準で、1月1日から12月31日までを集計するのですね。
ご存知のように、所得税の計算は確定申告で行います。
所得は10種類あり、総合課税といって各所得を合算して計算いたします。
給与所得は10種類のうち一つです。
103万円の判定は給与所得のみのお話となります。
税金の計算を説明します。
3つのステップで考えます。
まず利益を計算します。
①収入-経費=利益
個人の状況を加味していきます。
税金を減らす効果がある項目で、所得控除といいます。
②利益-所得控除=課税所得
そして税率をかけて税金を出します。
③課税所得×税率=税金
「所得」は税法独特の用語ですので、なかなかなじめません。
お商売であれば、売上から経費を引いた利益、これがすなわち事業所得となります。
(所得と利益は違うのですが、細かいところは目をつぶってくださいね)
では、給与ではどうでしょう。
給与収入では経費にあたるものが予め決まっています(もちろん領収書を集めて計算してもいいんですよ!)。
その金額は給与総額の35%程度です。
しかも下限額がありそれが65万円と決められています。
つまり、給与のうち65万円までなら所得は発生しません。いわゆる最低保証額ととらえてもいいでしょう。
税金は弱者保護の精神ですから、
個人の状況に応じて税金がかからない仕組みになっています。
例えば、扶養家族が多ければ扶養控除、ハンデがあれば障害者控除、お医者さんにかかれば医療費控除など、所得からマイナスしていくのですね。これらを所得控除といいます。
そのうち誰もが持っているマイナス項目が基礎控除です。この金額が38万円。
だから
65万円+38万円=103万円
お給料の額面が103万円までなら税金がかからないというわけです。
いかがでしょうか?
では103万円を超えると一体誰の税金が増えるのでしょうか。
まずは本人です。
103万円を超えた金額に税金がかかります。
このレベルなら所得税が5%、住民税は10%で、合わせて15%です。
もし110万円の額面なら、110万円-103万円=7万円
7万円×15%=1万500円が税金となります。
それから扶養している人。
所得控除で配偶者控除や扶養控除を受けていたはずなので、
38万円×税率分が税金が増えます。
国税10%なら住民税と合わせて20%。
7万6千円が夫、お父さんなどの税金が増えるわけです。
じゃ、税金取られるから働くのはやめよう。
ちょっと待ってください。
120万円以上稼げば、税金の支払い以上手元に残るわけですから、
ワタクシはどんどん稼げばいいと思います。
大事なのは、その納めた税金がしっかりと私たち市民のために使われることです!
税金計算の仕組みいついて、「はて?」そう思ったら
私たち税理士に聞いてくださいね。
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