2019年9月2日
従業員のため社宅を借りることにしました
最近、お客様へお邪魔すると「人手不足」とよく聞きます。
愛知県の有効求人倍率は、このところ常に1.9を超えて推移しています。
求人倍率は、経済が活況の時、一つの目安となりますので、結構なことですね。
企業もあの手この手で、社員を確保しようとしています。
福利厚生を充実させるのも一つの手です。
遠方から通う従業員のために、社宅を借りよう、そんなこともあるようです。
社宅の費用も経済的利益
従業員さんのためにと思い、会社が支払った社宅の費用ですが、
一定額を超えると、本人さんに課税がされます。
ご注意くださいね。
会社が支払った費用は経費となります。
ただ、それが経済的利益となると、支払家賃ではなく、給料となってしまうのです。
え、どういうこと?
前回のメルマガでもお伝えしました、経済的利益、
それは「現物給与」といって、源泉所得税が課されます。
経済的利益とみなされるのは、
・特定の人だけ優遇
・常識的な金額よりもらいすぎ
の場合です。
一定範囲内までは課税されません
課税される範囲は、税法で定められています。
従業員の場合、「通常の賃借料の50%」を基準に判断します。
通常の賃借料とは、支払っている家賃のことではありません。
税務で定める通常の賃借料は、以下の計算式で求められます。
通常の賃借料=(その年の家屋の固定資産税標準額 × 0.2% + 12円×その家屋の総床面積(㎡)/3.3㎡)+ その年の敷地の固定資産税の課税標準額 × 0.22%
ややこしや~。
課税される判断は、本人さんの負担割合で、以下の4つのケースが考えられます。
① 本人さんが全く負担しない(会社が全額負担)
家賃の全額が「給与」とみなされ、源泉税が課税されます。
② 本人さんが通常の賃借料の50%未満を負担
通常の賃借料から、実際に負担した金額を引いた残額が、
「給与」とみなされ、源泉税が課税されます。
③ 本人さんが通常の賃借料の50%以上を負担
課税はされません。
④ 本人さんか負担した金額が、通常の賃借料を超えている
課税はされません。
社宅は、アパートやマンションなど、集合住宅を借りることが多いため、
個別に、固定資産税標準額を調べることは、大変ですね。
実際相場を見ると、税務で定める「通常の賃借料」より、実際に支払っている家賃の方が高いことがほとんどです。
したがって実務上は、実際に支払っている家賃の半分は、本人さんに負担してもらいましょう、とされています。
人手不足の中、会社のお金を使って、従業員さんを確保するわけです。
いらぬ課税がされないよう、注意してくださいね。
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