2022年6月13日
従業員の食事はもちろん経費、ですよね?
会社が従業員の食事代を支払ったら、それは経費として認められると思いますか?
中小零細会社の社長さんは、男気があって(女性の社長さんもね)、社員さんを家族のように思っている方が多いです。
だから多くの経営者の皆さんは「そりゃそうだろう」と思ってらっしゃると思います。
でもちょっと待ってください。それはどんな経費になるのでしょうか。
福利厚生費の範囲は意外と狭い
税務会計では、同じ経費でも「福利厚生費」なのか「交際費」なのか、それとも「給与」なのか区別して取り扱うことになっています。
交際費であれば、損金不算入として法人に課税されますし、給与なら従業員さんに源泉所得税がかかります。
意外と福利厚生費の範囲は狭いので、注意してくださいね。
従業員が残業した時の食事
従業員が残業した時に会社が支払った食事代は、福利厚生費として取り扱います(所得税法基本通達36-24)。
従業員が自分で食事を購入し、例えばコンビニで買ってきたり、デリバリーしてもらったりのケースも該当しますよ。
レシートまたは領収書で精算すれば福利厚生費となります。
ただ、補助費としてお金を渡したけれど、レシート等がない場合は、一回につき300円(税抜き)までは福利厚生費となりますが、それを超える金額は給与となります。
必ず従業員にはレシート等をもらうように指導しておきましょう。
さもないと従業員自身の税金や社会保険料が増えることになってしまいますからね。
ランチタイムの食事
経営者であれば、得意先に従業員と同行した際、ランチをごちそうすることもあるでしょう。実はここには「うっかり」が潜んでいます。
税務では勤務時間内における食事の支給は、原則給与として取り扱うことになっています。
人間が生きていればご飯を三度三度食べるわけですから、それをおごるという行為は、従業員への給与と税法ではみなしているのです。
「ええ!?」と思うかもしれませんね。
ただし所得税法基本通達36-38の2では、以下の条件を両方満たすなら給与として課税しなくてよい、となっています。
工場経営などでお弁当を注文しているようなケースと同様に扱います。
① 従業員が半分以上を負担
② 会社の負担額が月額3,500円以下(税抜き)
とはいえ、経営者としては恰好がつかないのでおごりたいと思うでしょう。
ポケットマネーでおごるなら何ら問題ありませんよ。
法人税法上の交際費
法人税法上、交際費は原則課税されます。
法人税では、「損金不算入」という取り扱いがあり、会計上は「経費」となっても、税務上は「経費とならない」ものを指します。
その一つが交際費です。
お金が出て行ってしまうのに、税金がかかるので会社にとってはつらいですね。
ただし現在は景気対策と目的で、交際費の課税要件は緩和され、特に中小企業では800万円までなら損金として認められています。
交際費から除かれる費用を税法は定めており、
その中に「一人当たり5,000円以下の飲食費」があります。
ここで注意したいのが、「社内交際費」や「社内飲食費」は除かれているということ。
したがって、それを証明するために、飲食の年月日、その相手と関係、人数、飲食の場所等が必要になります。
実務上は領収書などに赤書きで記録し、一覧表にしておきましょう。
実務をするうえで、
それがそんな取り扱いになるの?
税金がかかるんだ!
そんなことが起こります。
信頼のおける税理士にすぐ相談したり、見てもらえるようにしておくと良いですね。
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