2020年4月6日
決算書からみて、どれくらい借りられる?
いま、世の中は大変な状況になっています。
コロナショックで、経済環境は日に日に厳しくなっています。
経営者の皆さんのご心労は大変なものだと思います。
政府の緊急対策で無利息・無担保の融資が発表されました。
- 貸付期間が、運転資金で15年(通常は5年)
- 元本の据え置きが5年
- 金利は、中小事業で0.21%、国民事業で0.46%
- 融資限度額が、中小事業で3億円、国民事業で6,000万円
特別な融資で、資金繰りで窮する事業主様にとってはありがたいのですが、
限度額いっぱいまで申し込んだり、
コロナショックに便乗して、融資申し込みをしたりする会社もあるそうで、
かえってそれが、融資の決定を遅らせる原因になっているとも聞きます。
やはり、身の丈を知って融資を申し込みたいものです。
月商から考える借入れ限度額
月商とは、一年分の売上高を12ヶ月で割った、一か月分の売上です。
一年というスパンは年度でもあり、
春夏秋冬の上がり下がりも含めて、
平準化するために適しています。
プールを併設した遊園地の会社なら、夏と冬では全く月商が異なるので、参考にしづらいですよね。
おおむね、
卸売業であれば、3ヶ月
メーカーや小売業、サービス業であれば、6ヶ月
くらいと考えられています。
もしサービス業の方で、月商が300万円であれば、
300万円 × 6ヶ月 = 1,800万円
1,800万円が限度、と考えられます。
もちろん借入限度額は、銀行によっても変わりますし、
個人の担保があるならこの限りでもありません。
また、
医療や税金で行われる事業なら、もっと長くなります。
運転資金の健全性から判断する
運転資金から、借りられる限度額を測る方法もあります。
まずここでいう運転資金とは?
「通常の事業運営に必要なお金」といことになりますが、
次の方法で計算した運転資金で考えます。
ポイントは、手持ちのお金である現預金は含まないことです。
(プラス財産)
売掛金
棚卸商品
受取手形
(マイナス財産)
買掛金
支払手形
このプラス財産とマイナス財産の差を運転資金と考えます。
借入金 / (固定資産 + 運転資金)
これに100を乗じて%に直します。
この数字が
0~60% … GOOD
61~80% … OK
81~90% … 注意
91~140% … NG
141%超 … BAD
となります。
例えば、固定資産を1,000万円、運転資金は200万円の会社で、300万円の借入をするとしたら、
300万円/(1,000万円+200万円)=51.7%
これならGOODです。
しかし2,000万円借り入れるとなると、
2,000万円/(1,000万円+200万円)=166%
これだとBADとなります。
決算書で見ると、
月商で判断するには、損益計算書。
運転資金で判断するには、貸借対照表。
ふたつの異なる財務諸表で分析しますので、偏ることなく判断できるでしょう。
一度、決算書から借りられる限度額を計算しておくことをお勧めします。
もっと詳しく分析したいのなら、
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