2020年11月13日
ひとり親と年収850万円超の方、年末調整が変わります
朝晩が冷え込むようになりましたね。
年末調整の封書が、税務署から届き始めました。
ウチの事務所へも、お客様から問い合わせが来ています。
今年の年末調整で、注意していただきたい方がいます。
それは
お給料をもらって働いている方で、
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ひとり親の方
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大学生までの子どもを扶養している、年収850万円超の方
ひとり親の方は税額が変わるかもしれません
今年から所得控除にひとり親控除が創設されました。
従来の寡婦・寡夫控除の不足分を補う形で設計されています。
扶養する子どもがいるひとり親は、男性でも女性でも、等しく控除を受けられるようになりました。
そして、事実婚が無かった親、いわゆる未婚の母でも、税金が少なくなります。
ひとり親控除の金額は35万円で、これまで特別の寡婦が受けられた金額と同じです。
子育てと仕事を頑張っているシングルパパ、シングルママに優しくなりますね。
さて
今までの税金計算では、所得控除として、
寡婦控除
寡夫控除
がありました。
男性と女性で(パパかママか)で取り扱いが異なっていました。
あなたが女性なら、寡婦控除を検討します。
① 夫と死別または離婚している(再婚はしていない)
② 扶養家族、または合計所得が38万以下となる生計同一の子どもがいる
③ 合計所得が500万円以下
この3つの要件で判定します。
全部が該当し、②のうち子どもがいる、という方は特別の寡婦と言って、
35万円が所得から差し引かれて税金計算されます。
シングルママで所得も多くないので、税金は助けよう、という主旨です。
③だけ該当しない
例えば、離婚して子どもを引き取り、バリバリ仕事をしている母子家庭のキャリアウーマン
①と③が該当する(死別の場合)
例えば、夫と死別をしたのだが、子どもは独立したので、多くを稼ぐ必要がなく暮らしている女性
全部該当するが、②のうち子どもでない扶養家族がいる
例えば、離婚して、年老いた母を扶養しながら暮らしている女性
これらの方々は寡婦控除として27万円が差し引かれます。
条件の組み合わせで控除額が決まってきます。
しかし①だけ該当しない、つまり未婚の母で収入が多くない方は、
これまでは寡婦控除が受けられなかったのです。
いわゆる「シングルマザー」と呼ばれるような方をイメージしてください。
未婚の母は、事実婚が無い方と定義されています。
今回のひとり親控除が創設されたことで、未婚の母も税金が少なくなりました。
一方で、今まで女性は所得制限を受けずに、寡婦控除を受けられたのですが、
合計所得が500万円超だと控除を受けることができなくなりました。
ここは男女とも同じ条件に合わせたと言えますね。。
あなたが男性なら、寡夫控除となります。
① 妻と死別または離婚している(再婚はしていない)
② 合計所得が38万以下となる生計同一の子どもがいる
③ 合計所得が500万円以下
男性の場合、全部を満たしている場合のみ、寡夫控除27万円が差し引かれます。
アレ?男性女性で比べると、違いますね。
男女不平等!?と思われるかもしれません。
税金には、弱者保護の思想が背景にあります。
つまり、これは女性の方が男性に比べて不遇とされている社会の裏返し、
ともいえるのではないでしょうか。
離婚して年老いた母を扶養しながら暮らしている男性は、所得が少なくても、女性のように税金は助からないのですね。
なんだかね~
要するに、これまでの「特定の寡婦」「寡夫」が無くなり、
- 未婚の母は減税
- 男性のひとり親は減税
- 所得が500万超の女性は増税
となるのです。
事実婚や内縁関係である場合には、これらの控除の適用はありませんからね!
ごまかしはいけませんよ。
そして再婚をすると、適用されなくなりますから心得てくださいね。
所得が850万円超のお給料をもらっている
もうひとつ年末調整で注意したい点があります。
それは、給与収入が850万円を超える高サラリーの方です。
今年から給与所得控除の上限が引き下げられました。
給与所得控除とは、サラリーをもらう人の非課税枠と言えるものです。
その上限が下がるということは、高サラリーの方にとっては増税だということです。
しかし、子どもを扶養している方々については、税金は少なくしますよ、
これが所得金額調整控除と呼ばれる制度です。
実は勘違いしやすい点があります。
もし子育て家庭で、夫婦ともに年収850万円を超える家庭であれば、
夫婦それぞれで、所得金額調整控除が受けられる、ということです。
扶養家族を控除する場合は、パパかママ、どちらか一方から控除となるので、
それと混同しやすいのです。
このケースの方は、年末調整時に「所得金額調整控除申告書」を書いて、会社に提出することになります。
お忘れのないように。
年末調整は、ご自身で行わず、会社が行います。
出すものが出していない、申告をしていない、
そんなこと税金計算が高くならないように、納税者として
しっかりと押さえるべきところは押さえてくださいね。
【名古屋発!税理士アニキの感動!笑売】
は毎月10 日に更新します。
お楽しみに!