2017年10月20日
なんだか難しい配偶者控除。判断基準はナニ?
選挙カーが事務所の外ではひっきりなしに走っています。
まもなく衆議院選挙です。清き一票を~
税をどうしていくのか、代議士の先生方には大いに議論していただきたいところです。
配偶者控除が変わりました
さて
平成29年度の税制改正では配偶者控除の見直しがされています。
これも代議士の先生方が議論して決めたことの一つです。
それで、どう変わったの?ということですが
103万円が150万円に引き上げられた
これが世の中の皆さんの共通認識でしょうか。
しかし視点がずれてしまうと
「え?そんなことだったの」
と間違えてしまいそうなんです。
ややこしや~
説明しますね。
この改正で誰の税金がトクになるのかを考えると分かりやすいです。
モデルケースとしては専業主婦のいる家庭、
夫が主な稼ぎ手として働き、妻は補助的にパート収入を得ている、そんな家庭です。
10月を過ぎると、世の中のパートで働いている主婦の皆さんは、働く時間を調整し始めます。
それは103万円を超えないようにするためなんですね。
なぜでしょうか。
妻の収入が103万円を超えると税金が増えてしまうからです。
では、誰の税金が増えるのか、この視点が大切です。
103万円を超えると
夫の税金が増える
これが答えです。
わが国の所得税は累進課税と言って、所得が多い人の方が税金が高くなります。
ですので、世帯収入で考えれば夫の方が高い税率ですから、
妻の収入を抑えて、夫に配偶者控除してもらう方がトクということになるのです。
この金額の上限が103万円から150万円に引き上げられたのです。
妻のパート収入が150万円なら今までと変わらず、夫の税金は増えません。
さらに、配偶者特別控除としては200万円までなら夫の税金は安くなる設計となっています。
つまり、パートで働いている主婦に皆さん、もうちょっと働いてください、
ということです。
夫の税金は増えない線引きが150万円にあるのですね。
でも私の税金はどうなるの?
しかし視点を変えます。
妻である自分の税金はどうなるのか?です。
いままでは103万円までなら税金はかかりませんでした。
正確に言えば国税はかかりませんでした。
住民税は市町によって課税される金額が90万円から100万まで様々です。
だから103万円までにしたからと言って税金がかからないわけではありません。
住民税がかかるようになると、介護保険料がどんと増えたり、市町の行政サービスを受けることに影響が出ますので注意してくださいね。
それで話を元に戻します。
答えは。
103万円を超えたら私本人(妻)には税金がかかってきます
えええ~
そうなんです。夫の税金は助かりますが
私本人(妻)にはちゃんとかかる(苦笑)。
130万円の壁と世帯収入の壁
社会保険はサラリーマンの妻であれば、パート収入が130万円までだったら
夫の扶養となり保険料も年金も支払わなくても良いことになっています。
これを「130万円の壁」なんていいます。
130万円を超えるとどうなるか。
社会保険は夫の扶養から外れ、健康保険と国民年金を自分で支払うことになります。
また今回の改正では
世帯収入が多いと控除額が減額されます。
つまり減税効果が薄まるということです。
まぁ、高所得の方は税率が高いので減税効果も高くなりますから、金持ち優遇といわれるのを避けたのでしょうね。
ということで、ホント分かりにくいというか、
で結局どう判断すればいいのと思ってしまいますね。
個人的には全部の壁を取っ払ってしまって
税金も社会保険も個人単位で負担してもいいのかな、と思います。
とはいえ考え方や生き方も様々ですから
選挙の時くらい、じっくり考えてもいいかもしれません。
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