2017年12月5日
会社の歴史はバランス・シートにあり
利益はどこで見ていますか
事業主の皆さん、税理士から渡された決算書を隅から隅まで読んでいるでしょうか?
決算書と言えば、貸借対照表と損益計算書、この二つがメインです。
税務申告書や科目の内訳書、注記やキャッシュフロー計算書までを広い意味での決算書と言えるかもしれません。
経営者の気になるところ、それはもちろん利益ですよね。
では利益はどこから読み取りますか?
はい、損益計算書ですね。
損益計算書には、上から「売上」、続いて「原価」があり、その差引きで「粗利益」が表示されます。
そして続いて「経費」があって、粗利益との差額が「利益」となります。
だから経営者、事業主の皆さんは損益計算書を必ず見ているのですね。
貸借対照表でわかること
ではもう一つの貸借対照表。
こちらも一生懸命読んでるよ、という方。素晴らしいです。
実際は多くの方が、貸借対照表は損益計算書ほどじっくり見ていないようです。
この貸借対照表、銀行はしっかり見ています。ご存知でしたか。
損益計算書は、一年間の経営成績を表していますが、それは一年限り。
貸借対照表は、開業してからの経営の結果が表されているのです。
つまり、
貸借対照表は会社の歴史である
といっても過言ではありません。
貸借対照表は、書いてある字のごとく対照に表示されています。
左側に「資産」、
右側に「負債」と「資本」。
資本を見てください。
「利益剰余金」という勘定があります。
これは今余っているお金、という意味ではありません。
ときどきこれを見た社長から
「ウチはこんなにお金は余っていないよう」
なんて言われます(苦笑)。
この利益剰余金は、今まで会社がたたき出してきた利益の総額を表しているのです。
ここを見れば、その会社が
長い間かかって利益を出してきた、
短時間で元手の数倍の利益を出してきた、
最近は利益は少しだが、長く堅実に利益を出してきた、
今年は利益が出ているが、過去は振るわなかった、
などが分かるのです。
そして、資産に目をやれば、
その会社がどこにお金を投資しているか、
お金に余裕があってリスクに強いか、
資金繰りが良いか、
が分かります。
負債に目をやれば、
利益を出すためにどれだけお金を調達しているのか
利益の効率はいいのか
短期的に資金がショートする恐れがないか、
などが分かるのです。
つまり、会社経営の意思決定が読み取れるのです。
奥は深いです。
いや~
いつも損益計算書しか見ていなかったわ、
そんな事業主様、経営者さん、
税理士と一緒に貸借対照表を味わってみませんか。
会社の歴史を振り返ると、来た道がはっきりしてうれしくなりますよ。
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