2021年10月11日
渡切交際費って知ってますか
法人の税務では、交際費については厳しい取り扱いになることはご存じでしょうか。
会計では経費になるものでも、税金計算上は損金にならないもの、その一つが交際費です。
損金にならないとは、経費として支払ったのに、税金がかかってしまう、ということです。
それはもったいないですよね。
今回は交際にの中で「渡切交際費」と言われるものを取り上げます。
皆さんはご存じでしたか?
渡切交際費とは
渡切交際費という言葉を聞いたことがありますか?
渡切交際費は「交際費」となっているものの、交際費ではありません!
渡切交際費とは、役員だけでなく従業員に、
接待費や交際費、旅費などの名目で支給したものでも、
その使い道の精算を行っていないため、法人の業務に使用したと証明できないものです。
通常は領収書などで精算されますが、それを怠ると渡切交際費となってしまいます。
その場合は、渡した役員または従業員への「給与」として源泉所得税が課税されます。
渡切交際費を役員に毎月支給したら
実務でよくあるパターンとして、非常勤の役員さんに、渡切交際費が毎月定額で支給されているケースです。
これは経済的利益とみなされ、定期の役員報酬として取り扱われます。
交際費として認められないので、役員に支払った場合、過大役員賞与と認定される可能性が高いです。
役員賞与は損金不算入となりますので、通常の法人税がかかり、
さらに本人に源泉課税が行われ、法人・個人ダブルで課税されることになります。
予め役員報酬として経理しておくことが大切です。
渡切交際費は、もらう側からすれば、事業の経費として使うのに、
自己の給与として自分自身に税金がかかるわけです。
何にもトクなことはありません。
それでも、法人が渡切交際費を支給するというのは、よほどの事由があると思われます。
裏を返せば、それなりの理由があるため、税務署としては、調査で突っ込みたくわけですね。
使途秘匿金と判定されると
税務署が突っ込みたくなるのは、それなりの理由がある、
つまりその支出が使途秘匿金(しとひとくきん)になる可能性があるからです。
使途秘匿金とは、
法人が支出した金銭で、
相当の理由が無く、
その相手方の氏名や住所が、帳簿書類に記録されていない
ものです。
社長や他の役員に仮払金などで出金し、
そこから氏名を秘匿したい人間にお金を還流させるなど、悪質なケースもあるようです。
使途秘匿金となれば、支出額の追加課税で40%の税金が課されます。
また支出の内容が贈与であれば、相手方に税率が高い贈与税がかかります。
取引の仮想隠蔽と判断されれば、重加算税が課され、永久に税務署のブラックリストから外れることがありません。
うっかり渡切交際費をしないように。
やけどしますよ!
そういうことがないように、普段から信頼のおける税理士に相談しておきましょうね。
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