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榊原輝重税理士事務所

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名古屋発 税理士アニキの感動!笑売

2023年5月12日

長年連れ添った妻へ自宅を贈与

3月のメルマガでは「生前贈与の相続財産への加算期間の延長」についてお伝えしました。

基礎控除内の贈与であったとしても、亡くなる7年前までさかのぼって相続税を課税する、という内容でした。

 

今回は贈与税の配偶者特別控除についてお話します。

こちらも相続税対策として知っておいてほしい内容です。

 

 

贈与税の配偶者控除とは

 

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。

 

長年寄り添った夫婦だから、夫が建てた自宅(夫名義の不動産)を妻へプレゼントするとします。

この特例を使えば、2,000万円まで贈与税はかかりません。

贈与税にすると695万円分が節税となります。

 

ただし不動産取得税と登録免許税はかかりますのでご容赦ください。

 

 

 

特例を受ける要件

 

 

特例を受けるには要件があります。

 

  • 婚姻期間が20年以上であること
  • 今までに配偶者控除を受けていないこと(同一夫婦間で1度だけ)
  • 贈与財産は、居住用不動産又は、居住用不動産の取得資金のいずれかであること
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与された(又は取得した)居住用不動産を居住の用に供し、その後も引き続き居住する見込であること
  • 贈与税の申告をすること

 

これらすべてを満たす必要があります。

 

 

相続税対策のポイント

 

 

相続税対策の考え方は二つあります。

ひとつは、相続財産そのものを減らすこと

もうひとつは、相続財産の評価を下げること

 

自宅を配偶者へ贈与するということは相続財産そのものを減らすことになるため、節税対策になります。

そして

贈与税の配偶者控除を適用した贈与は、相続開始前7年以内の生前贈与加算の対象となっていません。

これも大きな節税ポイントになります。

 

また将来自宅を売ることになるかもしれません。

この特例を適用して、居住用財産を夫婦の共有財産にしておけば、

居住用財産の売却益に対する3,000万円の特別控除

という特例を夫婦で適用することができます。

つまり合計で6,000万の売却益まで税金がかからなくすることが可能です。

大きく立派な家や土地の評価が高い土地にお住まいなら検討すると良いと思います。

 

ただし3,000万円の特別控除の特例は、

土地の場合、家屋とともに譲渡する土地に限られるため、

居住用不動産を配偶者に贈与する時には、土地と家屋を併せて贈与しておくことが必要になります。

 

 

夫婦を20年以上している方で、相続対策を考えている方は、信頼のおける税理士に相談してくださいね。

 

 

 

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2023年4月13日

堤幸彦監督が「スーパー税理士マサル!」を撮ってくれました

私は税理士会の会務は広報部一筋です。

 

今回地元の生んだ名監督堤幸彦さんが、名古屋税理士会のために、

ドラマ仕立てで「スーパー税理士マサル!」全3話を撮ってくださいました。

堤監督は、私の住む田代学区出身の方です。

そのご縁もあってお引き受けしてくださいました。

ドラマでは名古屋らしさが満載で、土地勘のある方なら「あ、あそこだ!」ときっと気づいていただけるかと思います。

 

堤監督の活躍をさわりだけ紹介します。

ドラマでは「金田一少年の事件簿」「TRICK」「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」、映画ではデビュー作「バカヤロー!私怒ってます」に始まり、「天空の蜂」「イニシエーション・ラブ」で第40回報知映画賞・監督賞を受賞されています。

 

 

さてこのドラマは今年度限定のリリースです。

とっても楽しい作品です。

1話が15分ですので、お手すきのときにぜひご覧いただきたいと思います。

 

 

 

第1話 マサル 大活躍!

 

 

第1話では、経営者や一般市民を相手に税理士がどんな仕事をしているかを、おもしろおかしく描いています。

 

「工場に番犬として飼っている犬は警備費として経費になるか」

「派手が売りの女性社長のアクセサリーは広告費として経費になるか」

「医療費控除を受けたいのだが領収書をなくしてしまった」

 

派手な女性社長・・・。

名古屋に住んでいる人なら、モデルになっている方は想像がつきますね(笑)。

堤監督のおひざ元、覚王山であれば知らない人はいません。

 

 

 

第2話 マサル 誕生エピソード!

 

 

第2話は、主人公のマサルが税理士を目指したきっかけが描かれています。

 

お付き合いしていた彼女のお父さんが税理士。

彼女にうまく騙され?お宅に連れてこられたマサルの姿は、私も共感しました。

30年ほど前、たしか年末だったと思います。

デートしてご飯を食べるお店がなくて、今の妻に「じゃ、ウチでご飯作ってあげるから」

そう言われてお宅に伺うと、デーンとお義父さんが座っておられたのを思い出します。

 

税理士の仕事は、数字の計算をしているのではなく、お客様によりそうことだと感じ入ります。

 

 

 

第3話 マサル ついに解雇か?

 

 

第3話は、実務であるあるのケース。

節税を求める新進気鋭の若き経営者とのやり取りが描かれています。

確かにAIの発達で申告書や届け出は税理士でなくても容易にできるようになりました。

情報だけならYouTubeでたくさんの税理士が教えてくれます。

 

だけど身近にいて、経営の話だけでなく、時に人生のお話まで聞けるのは、仕事冥利につきます。

 

「スーパー税理士マサル!」で検索していただいても構いません。

名古屋税理士会のサイトはコチラです。

 

https://www.meizei.or.jp/

 

 

このドラマをみて、税理士を理解をしていただき、

相談してみよう

税理士を目指してみよう

そういう方が増えるととてもうれしく思います。

 

 

 

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2023年3月10日

非課税枠内の生前贈与でも相続税がかかる期間

税金はトクしたらかかります。

これが原理原則です。

 

だからお金やモノをもらったら、もらった人に税金がかかります。

人からお金やモノをもらうことを「贈与」といいます。

その税金が贈与税です。

もらった側からすればラッキーなので税率は高いです!

 

 

基礎控除110万円までなら税金はかかりません

 

 

ではおじいちゃんからお小遣いをもらったら贈与税はかかるのでしょうか。

原則的には贈与税はかかります。

お小遣いに~ともらった1万円に税金をかけるのもあんまりですね。

 

だから一年間で110万円までなら税金計算上はかからないことになっています。

これを基礎控除といいます。

 

 

生前贈与とは

 

 

生前贈与とは、生存している個人から別の個人へ財産を無償で渡すことです。

生前贈与を行うと相続税の課税対象となる財産を減らすことができるため、

主に相続税の節税対策を目的として行われます。

 

おじいちゃんが毎年子どもや孫に基礎控除内で100万円ずつ贈与していけば

10年経つと千万単位のお金を税金がかかることなく、子どもや孫に譲ることができるのです。

(定期贈与と判断されると課税されます)

 

 

生前贈与の加算期間

 

 

おじいちゃんがガンになって余命わずかと宣告されたとしましょう。

亡くなることが分っていたときに贈与した分は、いくら基礎控除内だとしても無税になりません。

おじいちゃんが亡くなった時に、相続財産に加算して相続税を計算することになります。

死亡前3年以内に故人から相続人に対しておこなわれた贈与については、

死亡時に相続人の相続財産に加算され、相続税がかかるのです。

 

これが令和5年度の税制改正で加算期間が3年から7年に延長されました。

亡くなる前の7年にさかのぼって相続税を課税するというものです。

 

いや7年前って、おじいちゃん健康でしたけど!?

 

 

ただ、その対象者は「相続又は遺贈により財産を取得した者」(相法19①)とされてますので

例えば、財産を取得しない孫に生前贈与した分は含まれません。

また暦年課税選択で相続放棄を行った者も含まれないことになっています。

 

 

贈与税の申告は確定申告と同じ期限で3月15日です。

申告漏れがないようにしましょうね。

相続対策で暦年贈与を考えている方は、信頼のおける税理士に相談してくださいね。

 

 

 

 

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2023年2月10日

ふるさと納税の返礼品には税金がかかる

さて確定申告の時期となりました。

ふるさと納税の制度を利用している方も多いと思います。

2021年度にふるさと納税を利用した人は約740万人、自治体への寄付の総額は約8300億円となっています。

いずれも過去最高を更新したそうです。

寄付者へのお礼として送られる特産品などをもらうのは楽しいですよね。

 

 

 

ふるさと納税の返礼品には所得税がかかります

 

 

国民の間では、すっかり定着した制度となったふるさと納税。

でもご注意ください。

実は自治体からの返礼品は、一時所得にあたるので所得税がかかるんです。

 

「え~~!?寄付したお礼なのに税金がかかるの」

はい、残念ながら。

 

ただ、一時所得の計算はこのようになっています。

 

総収入金額-収入を得るために直接支出した金額―特別控除額(最高50万円)

 

最高50万円の特別控除があるので、返礼品の価格の合計が年間50万円を超える場合には税金がかかってくるわけです。

また返礼品の価額は寄付の30%程度と、国から指導がなされています。

このことから、寄付金額がおよそ167万円を超えると課税対象となりそうです。

とはいえ、この金額を寄付できる人はかなり高額納税者と言えますね。

 

しかし、他に一時所得がある場合は注意が必要です。

 

 

一時所得とは

 

 

国税庁のHPから具体的に示されている一時所得は以下のものがあります。

 

  • 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます)
  • 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます)
  • 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます)や損害保険の満期返戻金等
  • 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除く)
  • 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

 

よくあるケースは生命保険の満期受取があったようなケースですね。

その年にふるさと納税を行うと税金が増えてしまう可能性があります。

 

これら以外でもいわゆる「臨時収入」となるものは一時所得となります。

ご注意くださいね。

 

 

確定申告をしないサラリーマンの方は、

ふるさと納税について確定申告を不要とする「ワンストップ特例」をしています。

そのため申告が必要な時でも、うっかり忘れてしまう、なんてことも。

また臨時収入があったとき、そもそも一時所得にになるかの判断もあります。

 

そんな時は信頼のける税理士に相談してみて下さいね。

 

 

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2023年1月12日

青色事業専従者給与が経費とならないケース(不動産所得編)

年が明けると私たち税理士事務所は確定申告への準備が本格化します。

個人事業主様は、家族で事業を営んでいる方も多いです。

役割分担をしながら配偶者と共にお仕事をされています。

だからその対価としてお給料を支払いたいのですが、

残念ながら所得税法では原則経費として認められません

「え~ただ働き!?」

いえいえ、特例が設けられていて、一定の要件を満たせば経費として認められますよ。

 

 

 

青色事業専従者給与とは

 

まず確定申告は2種類の申告がありますのでご確認ください。

青色申告と白色申告です。

電子申告が始まる前、紙で申告をしていた時は青色申告はまさにその名の通り、申告書は青色でした。

青色申告では複式簿記などによる丁寧な記帳が求められます。

その代わり頑張った納税者に有利となる特典が設けられています。

節税になるということです。

そのひとつが青色事業専従者給与です。

この青色事業専従者給与を適用するためには、青色申告をすることが条件となります。

 

青色事業専従者給与であれば、家族へ支払った給与の全額を経費にできます。

とはいえ、あまりに高額な給料を経費にしてしまうことは制度の趣旨に合いません。

あらかじめ対象者や仕事内容、青色事業専従者給与の金額を記載した届け出を税務署に提出することになっています。

出し忘れがないようにしましょうね。

届け出て認められた金額であれば、対象者への支払額を青色事業専従者給与として全額、経費にできます。

有難いですね。

 

 

 

不動産所得では青色事業専従者給与が認められないときがある

 

青色申告で青色事業専従者給与の届を出した、要件はバッチリ。

ところが不動産所得の申告においては注意が必要です。

所得税法で適用が認められているのは

 

 

「青色申告者で不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき「事業」を営んでいる場合」(所法57①)

 

ここで所得の種類が3つに限定されているのが第一のポイントです。

そして最も注意したいのが「事業」を営んでいる場合、この文言です。

普通に考えればスルーしそうな文言。

でもここに落とし穴があるのです。

 

不動産所得を貸し付けている場合、「事業」を営んでいるとみなされるには一定程度の事業的規模が必要です。

 

① 貸間、アパート等については、貸与することができる独立した室数がおおむね10以上であること

 

② 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること

 

この要件を満たすと事業規模として認められます。

私たちは不動産所得の5棟10室要件と呼んでいます。

 

 

 

青色事業専従者給与については、年齢や従事期間、どの程度従事しているかなど、ポイントがあります。

配偶者だから経費になるよね、と安易にお給料を経費としてしまうと痛いしっぺ返しを食らいます。

 

信頼のおける税理士に個別的、具体的に相談することをおすすめします。

 

 

 

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2022年12月12日

租税教室で子どもたちと考えたこと

先日税理士会を通じてリクエストがあった租税教室へ行ってきました。

今回は中学3年生の皆さん相手にお話をしてきました。

税理士会では租税教室で伝える内容は主権者教育を柱としています。

 

「主人公は自分たち」

だから

「しっかり働いて税金を納める」

そして

「納めた税金の使い道は自分たちで決める」

 

 

 

国債は誰の借金?

 

 

生徒さんには日本のお財布の説明をします。

日本国の歳入と歳出が円グラフになっている図を使います。

歳入がお財布に入ってくるお金。

歳出がお財布から出ていくお金。

この金額は一致します。

 

自分のお財布を考えるとき、入金と出金のどちらから考えますか?

多くの方は入金から考えるのではないでしょうか。

そして入金のお金の範囲で出金を決めていくと思います。

 

国家は必ずしもそうではないように思われます。

まず出金ありきでそのあと入金を決めていく。

 

令和4年度のお財布は107兆6千億円です。

収入は税収となりますが、65兆2千億円でおよそ60%です。

残りのほとんどは国債発行で36兆9千億円、およそ35%を借金しています。

 

借りたお金は返さなければいけませんね。

支出のうち借金返済は24兆3千億円です。はっときづきますね。

返すお金<借りたお金

つまり借金は毎年10兆円強ずつ増えていっているのです。

 

う~~ん。

政府は「税収の範囲内でやっていこう」とは思わない、いや思えないのかな。

やっていこうとすれば国民はもっともっと我慢しなくっちゃいけないのかな。

 

金額が大きすぎてピンとこない、という方もいるでしょう。

これを説明するために財務省は国家のお財布を家庭に例えて説明しています。

年収650万円の家庭で支出が1,000万円、借金の残高は9,000万円。

毎年100万円ずつ借金が増えていきます。

 

ひえ~

私がこの家の跡取りなら逃げ出したくなります。

相続放棄します。

 

分かり易いけど、こんな疑問がわいてきます。

国家の借金は、いったい誰が返すのだろう?

国家の借金=国民の借金、じゃないよね?

国民が返さないといけないもの?

 

生徒さんへこの疑問を投げかけると、皆一様に考え込みます。

 

 

 

税金の使いみちを考えよう

 

 

税金を納めるのは憲法に書いてある義務だから仕方ないよ。

いえいえ集めたお金は国民が豊かで安心して暮らしていけるために使われるのです。

 

この12月になって来年度以降の予算を政府与党が議論しています。

どうも防衛費がぐんと増えるそうです。

ウクライナの戦争やお隣の国々の行動から、私たち国民は不安になってきています。

日本の国を守るために武器にお金をかける、それも一理あるでしょう。

国の安全を保障することも政府の大切な仕事です。

 

とはいえ限られた税金の使い道を考えるとき、

優先順位をつける議論があってしかるべきでしょう。

 

GDP比1%から2%へ。

これってたったの1%といえど倍増ですよね。

 

令和4年度は防衛費は5兆3,600億円でした。

一方で文教費、子どもたちへ未来への投資は5兆3,900億円です。

かろうじて文教費の方が多かった。

 

だけど来年以降、今まで教育費を越えたことがなかった防衛費が一気に抜き去っていきます。

 

将来を生きる子どもたちへ、どうお金を使うのか。

生徒さんたちは年齢的にまだ選挙権がありません。

子どもたちは税金の使い道をどう理解するのかな。

自分たちの未来がお年寄りによって決められていくなんてと思うのかしら。

 

 

この子たちの未来をより良いものにしてあげられるよう、

先に生きる私たちがしっかりと考えていきたいものです。

 

 

 

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2022年11月11日

経営セーフティ共済の活用

コロナ禍に加え、世界的なインフレ、戦争、そして円安と経済の見通しがとても厳しくなっています。

せっかく売り上げたのに、得意先が倒産、お金を回収できない!なんてことも起こり得ます。

そんなとき転ばぬ先の杖になる共済制度があります。

それは国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供している経営セーフティ共済です。

 

 

経営セーフティ共済とは

 

 

経営セーフティ共済は、中小企業倒産防止共済法に基づく共済制度で、

中小企業の取引先事業者が倒産してしまった際の連鎖倒産を防ぐことを目的として、

昭和53年4月にスタートしました。

昭和40年代後半から景気後退に伴い倒産件数が増加する中、取引先数が限定され、

取引先企業の財務情報などの入手も困難な中小企業は、突然の取引先企業の倒産で被害を受けることが多いことから、

中小企業の相互救済のための仕組みとして作られました。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、

中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。

(中小機構HPより)

 

 

経営セーフティ共済の特徴

 

 

経営セーフティ共済はふたつの特徴があります。

 

  • 無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れができる
  • 掛金の税制優遇措置が受けられるので、節税効果がある

 

経営セーフティ共済は、加入後6カ月が経過して取引先企業が倒産した場合(一定要件を満たす私的整理も含みます)、

売掛金や受取手形の改修が困難になった額積み立てた掛金総額の10倍に相当する額のいずれか少ない方の額(貸付限度額8,000万円)の貸付を受けることができます。

しかもその事業者との取引の確認が済み次第、すぐに借入れることができるので、

連鎖倒産を防ぐことに効果があるというわけです。

これは助かりますね。

それだけではありません。

借り入れに際しては、担保・保証料の必要もないのです。

 

 

節税効果も

 

 

掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べ、期間の途中でも増額・減額できます。

また確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合)に算入できます。

契約の最初の年に前納制度で支払った場合、向こう一年分の金額が経費となります。

 

例えば決算月に、今年は思わぬ利益が出てしまった、

何か節税になるものはないかといったとき、

通常なら一か月分しか効果が期待できない経費でも12か月分が認められるのです。

月額の上限が20万円ですから240万円を経費にすることが可能です。

 

最初の一年目だけの効果となりますが、検討してみる価値はあると思います。

 

 

解約返戻金が100%

 

 

共済契約を解約した場合は、解約手当金を受け取ることができます。

自己都合の解約だったとしても、40か月以上納めていれば、なんと掛金全額が戻ります

 

もちろんその年の収益として課税はされますが、

法人であれば、繰越欠損が多い時や、退職金などの支払いがあった時、その赤字と相殺されて納税が生じないでしょう。

個人であれば、事業が振るわず所得が少ない時、累進課税によって低い税率で税金が計算されるため節税効果はあるでしょう。

 

 

年末が近づいています。

決算期を迎える経営者様、先を見通して手を打っていきましょう。

 

 

 

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2022年10月14日

社員(従業員)の経費精算

インボイス制度が来年10月から始まります。

また電子帳簿保存法は今年の1月からすでに施行されています(とはいえ宥恕期間中ですけどね)。

 

経理の仕事としたら、今までにない大変革時期となっています。

 

経営者様から「経理を合理化したい」とお聞きします。

私たち税理士事務所の専門は「会計」なのですが、実は「経理」と業務範囲がビミョーに違います。

経営者様は会計=経理と理解されている方も多いです。

イメージとしては「数ある経理業務の中のひとつに会計業務がある」ととらえてください。

 

経理の仕事は「記録」と「出納」がメインです。

 

この記録のうち財務諸表を作成する業務が「会計」になるのですね。

つまり税理士事務所は「会計」の専門家ですが「経理」の専門家とは言い難いということです。

とはいえ、様々な会社の経理部にお邪魔いたしますし、会計の指導をしている立場ですので、ヒントとしてお話はできるかと思います。

今回は社員(従業員)の経費精算のお話を取り上げてみたいと思います。

 

 

 

経費精算の申請ルール

 

 

皆様の会社では社員の経費精算はどうされていますか?

営業マンが都度経理部に領収書を持ってきては精算をしていませんか。

通常は仕入れ先や外注先からは一か月をまとめて請求書が送られてきます。

もちろん都度のものはありますが、経理部としてはインターネットバンキングを使って支払いはまとめて行いたい、のが本音です。

だから社員の立替えた経費精算も月に一回、まとめて行うことができれば合理化ができるのです。

具体的には一か月で使った経費を「経費精算申請書」に記入してもらい、領収書を添付して提出してもらいます。

この「経費精算申請書」は統一フォームにしておき、もし会計ソフトとの連動が可能ならエクセル形式等で作っておくのがポイントです。。

それと勘定科目を記入できるようにしておきます。ここもポイントです。

予め社員には次のように勘定科目の例示をしておきます。そうしておけば迷いません。

 

  • 旅費交通費…電車、バス、タクシー代、JR等のプリペイドカード、高速代、ガソリン代、出張日当など
  • 消耗品費…事務用品、文房具、電池や電球など消耗品、PC周りの消耗品など
  • 通信費…切手・はがき、宅配便代、業務利用の携帯電話代など
  • 接待交際費…一人当たり5,000円超の飲食代、香典、お祝い、得意先への手土産代など
  • 会議費…一人当たり5,000円以下の打ち合わせ代、打ち合わせ時の弁当や飲み物代など
  • 雑費…以上に該当しない費用

 

全社員に、この「経費精算申請書」を月末締めで上司へ提出し、

所属長の承認を得た後経理に廻ってくる仕組みにします。

そして社員への支払いは給料と一緒に銀行振込とするのです。

 

 

 

社員の経費節約とコスト意識につながる

 

 

この月末締め経費精算ルールにすると、どこの会社でも飲食代やタクシー代が減る傾向にあります。

これは経費を勘定科目に置き換えて視覚化することで、コントロールする意識が働くからです。

営業課長も、接待や交通費が多い営業マンへ注意を促すことができます。

ルール化すれば期限を守って提出されるので、書類不備もなくなり月次決算書を作る経理部も助かります。

経費の削減と月次決算の迅速化につながるというわけですね。

 

まずは経費精算を月末締めでルール化して、社員に経費精算する習慣をつけていただいてはいかがでしょうか。

 

 

帳簿電子化のこれから

 

 

現在は会計のDX化が進んでいます。

社員がそれぞれの電子マネーで決済するように、なんてともあり得るでしょう。

いまや経費精算は会計ソフトの進化で、領収書や請求書をスキャニングやスマホでの撮影するだけで、

一気に会計処理まで行える仕組みが整いつつあります。

そうなればまたルールも変更になっていくでしょう。

 

そのときまで経理部はどのようにルールを作っておきますか。

いきなり対応も難しいですね。

まずはできる範囲から手を付けていくといいと思います。

小さなカイゼンの積み重ねです。

 

もちろんこれを行うためには、経営者様の経理部に対する理解とフォローが大切です。

経理部は利益を直接だす部署ではありませんが、間接的にコストダウンに寄与していく部門です。

 

 

税理士と一緒に相談しながら、経理の合理化を進めていきませんか。

 

 

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2022年9月12日

税金の支払いもキャッシュレスで

インターネットバンキングをされていますか?

電子帳簿保存法の改正もあり、経理ソフトをクラウド化する事業主様がぐっと増えました。

もちろんインターネットバンキングが前提となります。

各種税金の支払いもキャッシュレスで行えるようになってきました。

 

 

納税する方法は次の4つがあります。

キャッシュレスで行えるのは直接納税以外の3つです。

 

  • 直接納付
  • 振替納税
  • 電子納税
  • クレジットカード納付

 

 

直接納付は金融機関又は所轄の税務署の窓口で、現金に納付書を添えて国税を納付する方法です。

従来はこちらが主流でした。

月末の銀行振込みは待ち時間もあり、忙しい事業主さんからすれば時間がもったいないと思うでしょう。

 

 

振替納税は指定された金融機関の口座より、納税金額を振り替える方法です。

こちらは個人事業主様向けとなります。法人様は使えません。

使える税金は個人の所得税と消費税のみとなります。

振替納税の手続きをすることで引落しができるようになります。

はがきを金融機関か税務署へ提出することで手続きが完了します。

申告期限の3月15日より、およそ一か月後に納付期限が設定されているので、直接納付よりお金の準備に余裕がありますので安心です。

税理士から3月10日ごろに「税金はこれくらいです、15日にまでに納めてくださいね」と言われても「え!?すぐお金を手当てして銀行に行かねば~」とあせります。

 

 

電子納税は国税の納付手続を自宅やオフィスからインターネットを経由して電子的に行う方法です。

税務署や金融機関に出向く必要がありません。

これにはふたつの方法があります。ダイレクト納付による方法とインターネットバンキング等による方法です。

インターネットバンキングによる方法はさらに登録方式・入力方式とに分かれます。

ダイレクト納付の場合は、インターネットバンキングの契約は必要ありませんが、税務署に事前にダイレクト納付利用届出書の提出が必要です。またe-Taxで申告納税するため、税理士報酬が発生する場合もあります。

 

 

クレジットカード納付は、インターネット上でのクレジットカード支払の機能を利用して、国税庁長官が指定した納付受託者(トヨタファイナンス株式会社)へ国税の納付の立替払いを委託することにより、国税を納付する方法です。

クレカ納付は他のキャッシュレス納付と異なり、ポイントがたまる、分割払いができるメリットがある一方、手数料がかかるデメリットがあります。

とはいえ手数料以上のポイントが付くケースもあるようです。ポイント率が0.8%くらいが目安と言われています。

また税金の支払い金額によってはカードの限度額を圧迫するため、他の経費の支払いを見ながらとなります。

 

 

 

納税の方法いろいろ選べるようになりました。

ご自身のメリットを考えて選択してみてくださいね。

 

 

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2022年8月10日

インボイス制度 この時期に検討しておく課題

インボイス制度は来年の令和5年10月から始まります。

昨秋からインボイス(適格請求書)発行事業者の登録が始まっていますが、皆さまは登録はされましたか?

 

「ウチはもともと課税事業者だから、届出は出したよ!請求書に登録番号を加えれば今までと変わらないよね」

「個人事業主なので免税事業者だけど、どんな関係があるのかな」

「簡易課税と一般課税、選択に影響があるの」

 

など質問をいただきます。

そこで今回は登録を前にしたこの時期だからこその課題を考えてみたいと思います。

考えるときは、売り手と買い手、双方の立場で検討しましょう。

 

 

 

買い手(支払う)側の課題

 

 

買い手の立場では、一般課税の事業者が最も影響を受けます。

なぜならインボイス等の保存が「仕入税額控除」の要件となっているからなんですね。

課税事業者が納める消費税の計算は、一般課税方式(原則課税、本則課税ともいいます)では、ザックリといえば以下となります。

 

 

納める税金 = 売上で預かった税金 - 経費で支払った税金

 

ここで経費で支払った税金を仕入税額控除だとお考え下さい。

インボイス制度では、支払った経費の相手がインボイス事業者でない場合、仕入税額控除に計算上は含めませんとなっているのです。

つまり、同じ取引でもこれまでと違って納める消費税が増えるかもしれないということなのです。

 

これは大変ですね。

インボイス発行事業者以外からの課税仕入は原則仕入税額控除できなくなリます。

大きな影響が出る制度ですので、経過期間として措置があり一定割合の税額を控除できますが、

とはいえ消費税の納税額は増えることになり、損益に影響がでます。

 

買い手として経営者の皆様にしてほしいのはふたつです。

 

  • 課税仕入れの取引先が免税事業者、課税事業者に関わらずインボイス発行事業者の登録予定があるか事前に確認
  • 免税事業者などインボイス発行事業者以外との取引を見直し

 

見直しに当たっては「優越的地位の濫用」に該当する行為を行わないよう注意が必要です。

この点については公正取引委員会から「​​免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A」が出ていますのでお目通しくださいね。

 

また簡易課税を選択している事業者は、売上税額にみなし仕入率を掛けて仕入税額控除を計算します。

したがってインボイス制度での「仕入税額控除」の変更の影響は出ませんね。

いまは一般課税だけれど、簡易課税の選択が可能なら、一般課税から簡易課税への変更も検討しても良いかもしれません。

逆に近い将来、簡易課税から一般課税に移行する可能性がある場合は、一般課税方式に準じた検討しておきましょう。

 

 

 

売り手(もらう)側の課題

 

 

売り手の立場では、

 

 

一番の課題はインボイス発行事業者になるかどうか

 

です。

 

課税事業者がインボイス発行事業者になる場合、

請求書や領収書、レシートなどをすべてインボイス仕様にしなくてはなりません。

 

免税事業者は商いの小さな事業者さんが多いこともあり、そのための準備を自分ですべて行うのは大変です。

免税事業者の方がインボイス事業者になる、すなわち課税事業者になることから始まるため、対応すべき課題はより多くなります。

専門家のアドバイスが必要なところです。

 

 

いま免税事業者さんが困惑しているのは、売り先さんの状況次第でインボイス事業者をいやおうなしに選択しなければならない点です。

主な販売先が事業者かつ、一般課税の事業者であれば、仕入先となる免税事業者との取引を見直す可能性があります。

 

すでに取引があるというなら今後も継続的に取引できるようにするために、インボイス発行事業者として登録するかどうか検討しましょう。

検討にあたっては、取引先の対応方針を知るためにも早めにコミュニケーションを取ることをお勧めします。

インボイス制度が始まると、いままでは消費税分をオンした請求書が使えなくなります。取引金額の見直しも必要になって来るでしょう。

 

検討してインボイス届を出して課税事業者になると決めたら、簡易課税を選択するかも検討してください。

簡易課税は別に届出も必要になってきます。

これを出さないと一般課税として取り扱われ、場合によっては不利益を被るリスクがあるのでもれなく検討していきましょうね。

 

 

小売業で売り先が消費者のみの場合は、買手は仕入税額控除の必要はありません。

したがって、インボイス発行事業者になる必要はありません。

ただし、事業者も一部販売先になっている場合や、将来事業者への販売を考えている場合は、インボイス発行事業者として登録するかどうか検討しましょう。

 

 

インボイス発行事業者として登録を受けると、新たに消費税計算・納税に係る事務負担およびコスト負担が発生します。

自社の経営状況や将来の経営計画もトータルで熟慮する必要があります。

 

できれば専門家である税理士に相談して判断することをお勧めします。

 

 

 

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