2018年2月15日
保険金の受取りは思わぬ課税があるので要注意
さて、確定申告が始まりました。
税理士事務所も本格的な繁忙期が始まります。
保険金の課税関係は大丈夫?
保険金を受け取ると税金がかかります。
この時期、確定申告で取り扱うのは「贈与税」と「所得税」になります。
皆さんが入っている保険はどの税金がかかるのかご存知でしょうか?
うっかり税金がかかってきた、なんてことがないようにしたいですね。
税金を判断するために知っておくこと
保険金の課税を整理していきましょう。
まずは「契約者」「被保険者」「受取人」この3つを理解してくださいね。
契約者…生命保険会社と保険の契約を結び保険料を負担する人
被保険者…その人の生死・ケガ・病気などが保険の対象となっている人
受取人…保険金を受け取る人
そして保険にまつわる税金は3つです。
そして税金が安い(負担が少ない)順に
相続税<所得税<贈与税
となります。
ちなみに、所得税では契約内容によっては雑所得として計算する場合(年金保険)と、
一時所得として計算する場合(満期保険金)があります。
かかってくる税金を判断するポイントは
契約者と被保険者が同一か
契約者と受取人は同一か
となります。
あなたが入っている保険はどのタイプ?
具体的に見ていきましょう。
契約者と被保険者が同じケースとしては、父が死亡保険に入って保険料を支払っておき、自分が死んだら家族に保険金がおりる、ものです。これは相続税がかかります。
また契約者と被保険者が同じケースでも、保険料を定期で支払い、満期の時期が来たら保険金がおりる、ものがあります。
これは贈与税か所得税がかかります。
この場合、契約者と受取人が同一であれば、所得税の一時所得で計算します。
一方、契約者と受取人が別人であれば、受け取った人に贈与税がかかるのです。
贈与税は税率が高いので、受取人を決めるときは要注意ですよ。
あれ?自分が契約したけど、受取人は子どもにしてしまったぞ!
なんてこともあるかもしれません。
ただ、契約途中で受取人を自分に変更しておくことも可能ですので、
もし受取人を妻や息子にしている、なんて方は検討してみてくださいね。
最も辛いうっかり
それから最も注意してほしいのは、満期保険金で契約者と保険料の支払い者が違っていた場合です。
例えば、妻を契約者としたけれど、保険料は夫である自分の銀行口座から引き落とされている、なんてケースです。
もちろん夫婦ですから生計同一ですし、お金が家計から出ていくには違いないので、
契約時はうっかり見過ごしてしまいがちなのです。
税務ではお金を負担している人で判断するので、契約者が妻だとしても、
受け取った満期保険金には、夫から妻への贈与として、しっかり贈与税がかけられてしまいます。
満期保険金が500万円で、支払った保険料が400万円だとします。
一時所得であれば、課税される所得は25万円となり、税率が10%であれば25,000円が支払うべき税金となります。
これが贈与税になると、53万円(特例贈与なら48.5万円)が支払うべき税金となります。
この差にはびっくりしますね!
保険の営業マンから契約時には、税金についても説明があるので大丈夫と思いますが、
心配でしたら一度ご自身が入っている保険について、税理士さんに相談してみてもいいかもしれません。
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