2018年2月2日
子どもの貧困とシングルママ
子どもの貧困率
先日、愛知県が主催する「子どもの貧困」について考えるシンポジウムに行ってきました。
2012年の調査で、子どもの貧困率が16.1%、6人に一人が貧困となっているデータに、衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。
私もその一人です。
愛知県は、自治体として貧困対策のための調査を、沖縄県に引き続いて全国で2番目に行いました。
愛知県はモノづくりと農水産物が豊かで、県民の所得も安定しており、貧困率は5.9%と全国平均からかなり低い数字でありました。
とはいえ、何もしなくても良い、というものでもありません。
貧困にあえぐ子どもがひとりでもいる限り、手当を続けていかねばと思います。
親の貧困が子どもの貧困に連鎖する、これはデータから立証されています。
子どもの未来は明るいものであってほしい、
どの子にも等しく成長の機会と笑顔が行きわたることを願うばかりです。
私たちに何ができるのでしょうか。
子どもの貧困家庭の半数超がひとり親家庭
貧困家庭の半数超がひとり親です。これは愛知県も全国平均も変わりません。
ひとり親、特にシングルママへの支援は欠かせないのです。
男尊女卑とまで言いませんが、やはり男女間の賃金価格差はあきらかに存在しています。
母子家庭の母親の9割強は仕事に従事しているものの、
OECD(海外諸国)のデータと比較して貧困率が高い、と指摘されています。
働けど、お金がない。
だから長時間働く、環境の悪いところで働く、それが子どもの育ちに悪影響を与える、
そんな悪循環を引き起こしているのです。
法律上の結婚をしなければ税の救いが受けられない
ある人がつぶやきました。
「私の友人なんだけど、未婚の母でさ、寡婦控除が受けられないんだよね…」
そうなのです。
税金の世界では、ひとり親支援の前提は法律婚ありきで設計されているのです。
所得税法法上の「寡婦」は以下に規定されています。
・夫と死別し、または夫と離婚した後、婚姻をしていない人
配偶者控除もそうです。
・「配偶者」とは、婚姻の届出を出している配偶者をいい、いわゆる内縁関係の人は含まれません
相続税法でも同じく、内縁関係の人は相続人としてカウントされません。
「じゃあ、籍を入れれば済むじゃないか」
「結婚をしない選択をしているのは個人の判断でしょう」
そう意見をいう方もいらっしゃいます。
もちろん、その意見に反論する気はありません。
しかし
税の世界の根本思想である「弱者保護」に立てば
本来意思決定に参加できていない子どもに、
つらい環境となるのは私は看過できません。
貧困家庭を救うために、全国で「子ども食堂」が増えています。
子ども食堂ではボランティアでなさる人がたくさんいます。
それはとても有り難いことで、素晴らしいです。
とはいえ、善意の方にすべてを頼るのも不足でしょう。
税制や民法には、時代に合った変化と弱き者、特に子どもへの支援を期待したいものです。
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お楽しみに!