2022年10月14日
社員(従業員)の経費精算
インボイス制度が来年10月から始まります。
また電子帳簿保存法は今年の1月からすでに施行されています(とはいえ宥恕期間中ですけどね)。
経理の仕事としたら、今までにない大変革時期となっています。
経営者様から「経理を合理化したい」とお聞きします。
私たち税理士事務所の専門は「会計」なのですが、実は「経理」と業務範囲がビミョーに違います。
経営者様は会計=経理と理解されている方も多いです。
イメージとしては「数ある経理業務の中のひとつに会計業務がある」ととらえてください。
経理の仕事は「記録」と「出納」がメインです。
この記録のうち財務諸表を作成する業務が「会計」になるのですね。
つまり税理士事務所は「会計」の専門家ですが「経理」の専門家とは言い難いということです。
とはいえ、様々な会社の経理部にお邪魔いたしますし、会計の指導をしている立場ですので、ヒントとしてお話はできるかと思います。
今回は社員(従業員)の経費精算のお話を取り上げてみたいと思います。
経費精算の申請ルール
皆様の会社では社員の経費精算はどうされていますか?
営業マンが都度経理部に領収書を持ってきては精算をしていませんか。
通常は仕入れ先や外注先からは一か月をまとめて請求書が送られてきます。
もちろん都度のものはありますが、経理部としてはインターネットバンキングを使って支払いはまとめて行いたい、のが本音です。
だから社員の立替えた経費精算も月に一回、まとめて行うことができれば合理化ができるのです。
具体的には一か月で使った経費を「経費精算申請書」に記入してもらい、領収書を添付して提出してもらいます。
この「経費精算申請書」は統一フォームにしておき、もし会計ソフトとの連動が可能ならエクセル形式等で作っておくのがポイントです。。
それと勘定科目を記入できるようにしておきます。ここもポイントです。
予め社員には次のように勘定科目の例示をしておきます。そうしておけば迷いません。
- 旅費交通費…電車、バス、タクシー代、JR等のプリペイドカード、高速代、ガソリン代、出張日当など
- 消耗品費…事務用品、文房具、電池や電球など消耗品、PC周りの消耗品など
- 通信費…切手・はがき、宅配便代、業務利用の携帯電話代など
- 接待交際費…一人当たり5,000円超の飲食代、香典、お祝い、得意先への手土産代など
- 会議費…一人当たり5,000円以下の打ち合わせ代、打ち合わせ時の弁当や飲み物代など
- 雑費…以上に該当しない費用
全社員に、この「経費精算申請書」を月末締めで上司へ提出し、
所属長の承認を得た後経理に廻ってくる仕組みにします。
そして社員への支払いは給料と一緒に銀行振込とするのです。
社員の経費節約とコスト意識につながる
この月末締め経費精算ルールにすると、どこの会社でも飲食代やタクシー代が減る傾向にあります。
これは経費を勘定科目に置き換えて視覚化することで、コントロールする意識が働くからです。
営業課長も、接待や交通費が多い営業マンへ注意を促すことができます。
ルール化すれば期限を守って提出されるので、書類不備もなくなり月次決算書を作る経理部も助かります。
経費の削減と月次決算の迅速化につながるというわけですね。
まずは経費精算を月末締めでルール化して、社員に経費精算する習慣をつけていただいてはいかがでしょうか。
帳簿電子化のこれから
現在は会計のDX化が進んでいます。
社員がそれぞれの電子マネーで決済するように、なんてともあり得るでしょう。
いまや経費精算は会計ソフトの進化で、領収書や請求書をスキャニングやスマホでの撮影するだけで、
一気に会計処理まで行える仕組みが整いつつあります。
そうなればまたルールも変更になっていくでしょう。
そのときまで経理部はどのようにルールを作っておきますか。
いきなり対応も難しいですね。
まずはできる範囲から手を付けていくといいと思います。
小さなカイゼンの積み重ねです。
もちろんこれを行うためには、経営者様の経理部に対する理解とフォローが大切です。
経理部は利益を直接だす部署ではありませんが、間接的にコストダウンに寄与していく部門です。
税理士と一緒に相談しながら、経理の合理化を進めていきませんか。
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お楽しみに