2017年6月10日
繰越欠損金は節税効果がすごいですね
会社経営をしていると、残念ながら赤字がどうしても出てしまうときがあります。
赤字が出るときは資金繰りも当然苦しくなります。
例えば、
今年赤字が1,000万円でてしまいました。
所得税は所得にかかるので今年の税金はゼロです。
翌年は頑張って利益を1,000万円だしました。
中小企業の実効税率は1,000万円の所得だと25%くらいです。
250万円を税金として納めなくてはなりません。
前年は1,000万円赤字で税金ははらってませんが、キャッシュは社外へ出て行ってしまっています。
今年1,000万円利益が出たとしても、税金を支払ったら手元には750万円しか残らないことになります。
ちょっと辛いですよね。
だから法人税法では繰越欠損金制度で、
過去の赤字と今年の黒字を相殺して税金計算をしていいよ
となっているのです。
そうすれば今年の利益1,000万円は去年の赤字1,000万円と相殺、所得はゼロとなり
税金は今年もなし、儲かったお金は丸々残る、というわけです。
いや~助かりますね!!
中小零細企業にとってはキャッシュが最も大事ですからね。
ただ要件があります。
会計経理がしっかりしていることと
青色申告者であること
税務署からすれば、そりゃそうだと思います。
税金が大きく節税となるので、しっかり会計経理をしてね、ということです。
この繰越欠損金制度ですが、
中小企業を前提にお話しさせていただくと、繰越期間が昔から比べてどんどん伸びています。
私がこの業界に入ったときは5年でした。
それが平成13年には7年に延び、
平成20年からは9年に延びているのです。
だから過去に大きな赤字を出すと最長9年まで税金を支払わなくてよい、なんてことも。
しかし注意しないといけないこともあります。
いろんな会計の帳票や証憑類(レシートや領収書など)の保存期間も延びているのです。
この保存期間は会計法上と法人税法上でそれぞれ定められています。
会社法上10年間の保存期間と定められている書類
- 総勘定元帳
- 現金出納帳
- 固定資産台帳
- 売掛金元帳
- 買掛金元帳
- 売上帳
- 仕入帳
7年間の保存期間と定められている書類
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 契約書
- 注文書
- 請求書
- 領収書
- 通帳
- 棚卸表
ただ実務では繰越欠損や税務調査が及ぶ最長期間の9年保存をお勧めしています。
(税務調査があったらそれ以前の分は片づけちゃうという事務所もありますね、笑)
とはいえ書類を保管する地面のお金も(事務所や倉庫代)もばかになりません。
悩ましいところですね。
紙の保存が原則となりますが、
マイクロフィルムやCD、スキャニングしたデータでの保存も認められます。
ただ税務署への届け出や管理方法の確立などが必要となってきます。
詳細はまたの機会にしたいと思います。
このあたりはお付き合いのある税理士に聞いてみてもいかもしれません。
いいアドバイスがもらえることと思います。
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