2019年8月2日
従業員の引っ越し費用
梅雨も明け、夏休みが始まりました。
お勤めの会社では、新学期のタイミングで、異動命の辞令が出る時期かもしれません。
また人手不足の折、就職や転職も多いでしょう。
「引っ越し費用を会社で出してあげるから、ぜひわが社に来てください」なんてお話もよく聞きます。
そんなときの税金は、どうなるのでしょう?
税金がかかるのは、会社にかかる、従業員にかかる、ふたつのケースが考えられますが、
今回は従業員の税金についてです。
経済的利益とは
会社はお給料を支払う以外にも、従業員のために、いろいろとお金を使います。
会社へ通うための通勤費、
社内での忘年会費、
結婚したり、出産したときのお祝い金、
健康診断の費用や、
研修のために支払う講師へのお金、などなど。
それらは概ね会社の経費となります。
しかし、会社側から経費となっても、従業員には税金がかかる場合があります!
それが
経済的利益
と言われるもの。
経済的利益は「現物給与」といって、源泉所得税が課されます。
・特定の人だけ優遇
・常識的な金額よりもらいすぎ
そんなとき経済的利益として税金がかけられるのです。
引っ越し費用は
では、引っ越し費用はどうなるのでしょう。
この場合の引っ越し費用とは、移動に伴う旅費や引っ越し業者に支払うお金です。
採用を決めた従業員が東京の方で、勤務地は名古屋です。
必ず引っ越しはしなくてはなりません。
借りたアパートは会社の社宅でもありません。
さて、いかがでしょう。
税務では、
転任に伴う転居のための、通常必要と認められる支出は非課税
のため、従業員の方の経済的利益として課税はされません。
新しいアパートの保証金などはこれらに含まれませんので、お間違えないようにしてくださいね。
経済的利益は税務では、その範囲が事細かに決まっています。
経営者の皆さま方は、従業員のために、そう思って支払ったのに、
従業員への給料とみなされ、課税されるなんてもったいないことがないよう、
事前に税理士に相談してくださいね。
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2019年7月24日
住民税はちょっと違う
住民税は国税ではなく、県や市町村に支払う税金です。
住民税は国税とちょっと違うんです
住民税は賦課課税が多い
わが国での納税の中心的な制度は申告納税制度です。
申告納税とは、「自分で税金計算をして、納める」ことです。
自分で行うといっても、税制は毎年変わりますし、
申告書を作るのだってなかなか大変です。
だから、私たち税理士がそれを代理して行うわけです。
一方、賦課課税制度もあります。
これは、自分から計算するのではなく、役所が計算して
「これだけ税金を払ってくださいね」と言われます。
住民税はこの賦課課税が多いです。
主なものに
所得税
不動産の固定資産税
自動車税
それから国民健康保険税なんてのも。
所得税は、前年の所得に対して計算され、だいたい5月か6月ごろに通知が来ます。
つまりサラリーマンなら年末調整、個人事業主様なら3月の確定申告での申告をもとに計算されます。
新入社員が2年目になると、天引きされる税金が増えるのはこのためなんですね。
国税には予定納税制度があって、前年の所得税を一定以上支払っている方は、
今年の税金を前払いをすることになっています。
その通知が来るのが6月なので、去年の所得に対する住民税、
今年の所得に対する所得税(国税)を同時期に支払うことになります。
なんだか妙な感じです。
課税の判断は1月1日
課税を判断する時期、つまりどのタイミングで課税するかですが
住民税は「1月1日」がポイントとなります。
固定資産税は、その年の1月1日に所有していれば、税金がかかります。
そして1月1日に住んでいる住所地で住民税を支払います。
例えば不動産を8月に売買するとします。
この不動産の固定資産税は所有者が支払っていますから、
譲渡された人にも負担してもらおうと月数按分して支払ってもらうこともあります。
下宿している学生や、転勤しているサラリーマンなら、
住民票の住所は別の市町にある、なんてこともよくあります。
こういう場合は、1月1日に住んでいる市町に住民税を支払います。
住んでいるとは、住民票のある場所ではなく、
居所(いどころ)、生活に実態があるところ、となります。
「アレ?」っと思ったら
専門家に気軽に聞いてみてくださいね。
「へ~、そうなんだ」ということもよくあります。
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2019年7月5日
個人事業主様の老後の備え
人生100年時代、年金以外に2,000万円(こちらは厚生労働省)、いや2,900万円(こちらは経済産業省)必要と言われて、世間を騒がせていますね。
政治家の皆さん、そして霞が関のお役人たち、
「おいおい、しっかりやってくれよ~」とぼやいてみても始まりません。
それではと、「退職してからも、元気だから個人事業主になって一生現役で働くぞ!」
そう思うかもしれません。
とはいえ、不安もつきませんね。
そこで税理士として典型的ではありますが(笑)、個人事業主様向けの制度を整理して、ご紹介したいと思います。
国民年金基金
自営業者が任意に加入し、基礎年金に上乗せして給付を受け取るための年金制度です。
「2階建て」なんて言われてます。
国民年金基金の掛け金は社会保険料控除の対象となります。
社会保険料控除は全額所得控除ですので、節税となります。
また年金をもらったときは公的年金等の控除対象となります。
公的年金はもらった年金全額には税金がかからない制度となりますので、
支払うとき、もらうときダブルで節税効果が得られます。
小規模企業共済制度
小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主様が拝評したとき、その後の生活安定を図るため、資金を予め準備しておく共済制度です。
この制度に対する掛け金は、小規模企業共済掛金控除として全額が所得控除を受けられるため、節税になります。
もし廃業などして受け取る際にも、一時払いでもらう方法と、分割でもらう方法が選べます。
一時払いでもらうと、それは退職所得として取りあつかわれます。
退職金は老後の生活資金としての性格を持つものですから、かなりの部分が非課税となります。ここでも大きく節税効果が得られます。
分割でもらう場合は公的年金等の控除対象となりますので、国民年金基金同様、こちらも節税効果が得られます。
個人型の確定拠出年金制度
いわゆるiDeCoと呼ばれます。
毎月掛け金を拠出し、それを加入さ自らが指図し投資に回します。
そして拠出した元本とその運用益が、将来受け取る給付金の原資となります。ただし投資ですので元本割れのリスクは伴います。
この制度では、拠出した掛け金は小規模企共済等掛金として取り扱われるので、全額が所得控除となります。
そして発生した運用益には課税がありません。
そして受け取る際は、これまら一時受取りと年金が選択でき、それぞれが退職所得、公的年金所得となるため、
所得控除を受けられるため節税になります。
これがいわゆる株式や投資信託だと、拠出した資金は所得控除もありませんし、運用益なら課税されますから、似ていますが税金優遇は大きく異なります。
個人年金
個人年金とは、個人事業主様が任意で民間の生命保険等の金融機関と契約し、
計画的に資金を積み立て、積立金とその運用益を年金または一時金として受け取るものです。
課掛け金は生命保険控除となりますが、いくら支払っても10万円ほどしか所得控除が無いため、節税効果は上記の3つよりは薄くなります。
受け取る場合は年金受給であれば雑所得となり、公的年金等控除はありません。
一時受取は一時所得となるため、退職所得と違い、課税額は多くなります。
民間の生命保険をたくさん入っていても、
意外と、個人年金基金や小規模企業共済を利用していない方も多いよいうです。
自分の老後は、お上頼みだけとせず、
知識を蓄えて、準備をしていきましょう。
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2019年6月21日
連休と有給休暇
10連休!
終わりましたね~。
皆さまはどうお過ごしだったでしょうか。
連休をバカンスとしてとらえる文化
10連休なんて、日本人である私たちには馴染みがありません。
欧米では10日どころか2週間、一ヶ月という長期休暇を取る文化があるようです。
すごいですね。
休暇というよりバカンスというそうです。
「休む」そのものが目的ではなく、いかにリフレッシュするかが目的なのだと思います。
日本人は連休疲れでぐったり、休み明けは憂鬱、なんて記事も目にします。
やはり文化の違いなのでしょうね。
有休の計画的付与
日本でも働き方改革で、今年度から「年5日の有給休暇の取得義務化」が始まりました。
従業員に年間で5日間の有給休暇を与えなければならない、と義務付けられました。
経営者の皆さんには、これをプラスにしてほしいものです。
数年前、認可保育園の園代表として立ち上げたとき、年休の計画的付与制度(計画年休)を使って
9連休を全ての従業員さんに取らせる制度を採用しました。
計画的付与制度(計画年休)は、
「従業員の有給休暇のうち、最低5日間は、本人の自由意志で取らせなければならない。
それを守った上で、有給休暇を消化させるために、
会社が計画的に休暇を設け、有給休暇とすることができる」
というものです。
つまり、会社が指定した日に有休を取らせるものです。
ただし、この計画的付与制度(計画年休)は「労使協議によって協定を結ぶこと」を前提としています。
従業員の了解を得ないで、会社が勝手に「お盆休暇は有給休暇扱いにする」ことはできません。
そりゃそうですよね。
ですから、保育園では年度の最初に、全員から取りたい日を5連休、月曜日から金曜日で希望を聞きました。
もちろん経営上忙しい時期もありますし、他の従業員とも日程がバッティングすることもあります。
そこは話し合い。
上手にバランスよく年間に振り分けます。
計画的に付与することで、経営者サイドは予め人の手配ができます。
従業員サイドは旅行などを早めに計画、準備できるというわけです。
保育園ですから、
リフレッシュして、気持ちも新たに保育の現場に戻ってきて、
パフォーマンスを上げて、子どもたちを喜ばせてください、
それが保育士さんたちのリフレッシュの意味ですよ、と共有しました。
だから休み中は、遊んでもいいし、旅行してもいい。
また、自然と戯れても、スキルアップのための勉強でもいいんですよ、何でも自由にしてくださいとお願いしました。
するとその制度がとても喜ばれ、リクルートにもプラスに働きました。
同じ給料でも、働き甲斐があるといって私たちの園に募集してきてくれました。
有給のとらえ方と使い方
せっかくの有休を使っても、休み明けにパフォーマンスが落ちては元も子もありませんね。
経営者も従業員も「休暇」をどうとらえるか、が大切です。
日本人は勤勉で働き者と言われてきました。
とはいえ新しい世代では価値観も違います。
休みを上手に使って、休み明けにリフレッシュして仕事場に戻る、
経営者も従業員もニッコリ笑顔でスタートしたいものです。
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2019年6月20日
創業時に知っておきたいポイント
今月初めに春日井商工会議所主催の「かすがい創業塾」に講師として行ってまいりました。
およそ20名ほどの受講生の前で、60分と限られた時間でしたが、
税務会計において、起業するときの要点をお伝えしました。
起業するときのポイント
1.青色と白色、どちらで申告しますか
2.経理は出納と記録です
3.会計ソフトの選び方
4.個人事業と法人設立はどちらがお得?
5.開業・創業時の届出は
6.最初は免税だから。いえ消費税の検討は必須。こわいぞインボイス。
7.税務調査を恐れるな
8.あなたに合う税理士を探してください
すでに起業してバリバリ事業を進めていらっしゃる方には、
「ふむふむ、あれね」
とか
「最初はわかんなかったんだよなぁ」
経験からすでに理解していることも多いかと思います。
やはり、専門家から起業前に聞いておくことは有意義ですよね!
その意味では春日井商工会議所さんの取組みはナイスです!
「知ってる」と「知らない」では大違い
無知だと損をすることが税務の世界です。実はトラップがいっぱい潜んでいます。
その中で特に注意しておきたいのが、
「青色申告」と「消費税の届出」
です。
青色申告でのうっかりは、
「事業が軌道に乗ってから」
「最初だから青色でなくても」
「届出を出すタイミングが遅れて」
などの理由で白白申告となってしまうことです。
だいたい事業を始めて最初の年というのは、黒字化が難しいですね。
その時に出てしまった赤字がどうなるかご存知でしょうか。
青色申告であれば、繰越欠損と言って、翌年に赤字を繰越すことができ、
翌年の黒字と相殺ができるのです。
つまり2年目の税金が大きく減るということです。
しかし白色申告だと繰越欠損は認められません。
翌年の黒字にはしっかり課税がされます。
そして、もう一点は、青色専従者給与の届出です。
実はコレ、『青色申告』の届出と別に出さなければならないのです。
もしパートナーが事業にもっぱら従事していれば、家族であっても、
原則として全額が経費として認められます。
しかしこの届出が出ていないと、白白申告と同様の経費しか認められないのです。
税務署に行って「開業する時の届出をください」と言っても、この書類をもらっていない、
そんなこともあるようです。
皆さま、気を付けてくださいね。
そして消費税の届出です。
「事業の最初は免税でしょ、何か必要ですか」
確かに、最初は免税事業者ですが、
最初の年に高額の設備投資をするときは要チェックです。
ひょっとしたら課税事業者にあえてなれば、還付を受けられるケースもあります。
ここは慎重に検討してくださいね。
そして今年の秋に控えている消費税増税。
税率だけでなく、制度そのものが変わります。
そう、インボイス制度の導入です。
経過措置が設けられていて、3年後から本格的に導入となります。
「なんだ、影響はないよね」
そんなことはありません。
実は自分たちが免税事業者だから関係ない、とはいかないのです。
この制度が運用されると、得意先から「課税事業者になってください」と言われる可能性が高いと思ってください。
「え?なんで」
なぜなら得意先の消費税額が増えてしまうからなんです。
「じゃあ、仕方ない。お商売だから従うしかないね」と諦めますよね。
それではと、「消費税課税事業者選択届出」を出すことにします。
そのとき、税金が安く計算されるからと簡易課税を選択します。
ところが、今の税法だと、課税事業者となった後、100万円以上の固定資産を買うと、取得の日から3年間は簡易課税が認められない!!となっているのです。
100万といったら車一台でも買ってしまったらアウトの金額ですよ。
マジか~~!
そんなことになっているなんて。
知っていると対応も変わってきます。
起業するときこそ、
専門家にしっかりと相談することをお勧めします。
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2019年4月17日
変えるものは
4月も半ば、春らしく少しずつ暖かくなってきました。
そうこう言っている間に、すぐに超大型の連休が始まりますね。
街には真新しいスーツを着たフレッシュマンがあふれています。
せっかく入社したからには「五月病」にならず、
元気に会社を通じて、社会へ貢献してくれるように祈っています。
企業は人なり
会社経営では、人が命といっても過言ではありませんね。
「企業は人なり」
経営の神様、松下幸之助さんもこうおっしゃっています。
関与先に行けば、どこも人不足で大変だとお聞きしています。
せっかく入った新入社員を大切に育てたい、そう思っている経営者様も多いことでしょう。
変化すること
とはいえ、経営は試されごとの連続。
うまくいくことが少ないのが現実でしょう。
人の悩みもつきません。
「なかなか思うように育ってくれなくて」
「文句ばかりで困る」
など経営者の皆さまのぼやきもよく聞きます。
さて、何を変えるのか。
ダーウィンの進化論で(どうも後付けで言われている内容のようですが)
「強いものが生き残るのではない 変化できるものが生き残るのだ」
ん~、名言!!
先日、躍進を続け東京オリンピックを確実にしたバスケットボール男子のニュースを拝見しました。
ご存知の方も多いと思いますが、日本バスケット協会の会長は三屋裕子さんです。
そう!女子バレーボールの偉大な選手だった方です。
低迷するバスケットボール男子を変えるために招聘されたのですが、インタビューでは大変興味深いお話しをされました。
全く畑違いで、バスケットボールのことを全く知らないわけですから、
協会の元バスケットボール選手たちだった幹部からはアレルギー反応がすごかったそうです。
でも、全く知らない人間だからこそ、変わることを恐れずにできた、とも。
その結果、何が変わりましたかと問えば、
「変わることを恐れなくなった」
そうです。
変わること、変えるもの。
その難易度は、
環境<行動<能力
個人の能力を変えることは難しい。
だから、まずは環境を変える。
環境が変われば、行動が変わってくる。
人の悩み、能力を変えようと思わず、
できることから始めてみませんか。
それは会社の環境から。
勇気をもって、自分自身を変えていくこと、かもしれません。
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2019年4月4日
消費税増税で思うこと
さて新年度になりました。
新元号も発表されて、いつもと違ってさらに気持ちが引き締まる感じがします。
税制では、今年度は消費税率が8%から10%に上がります。
とても大きな変化ですね。
消費税増税は間違いなく経済のブレーキがかかる
消費税がわが国に導入されたのが、平成元年でした。
消費税は平成と共に歴史を刻んできたのです。
感慨深いですね。
最初は3%でしたが、平成9年に5%へ上がり、
平成26年に8%へ上がりました。
共通するのは消費税増税がなされると
景気は悪化する、またはブレーキがかかる
ことは歴史が証明しています。
この秋に消費税は確実に上がりそうです。
政府指標では景気良好と言われていますが、長いデフレをなかなか脱せず、
国民の皆さんが実感できずにいます。
さらに世界経済も不安含みで下がり局面に入っているようです。
消費税をこのタイミングで上げるべきか、私はどうかなぁと心配しています。
税制はシンプルでなければならない
税理士の視点から言えば、税制はシンプルでなければ、と思います。
政府は消費税の増税を和らげるために、
軽減税率に加え、ポイント還元など様々な調整を行っています。
政治とは調整である
といえば、それはそれでよいのでしょうが、税制の本質から離れていると言わざるを得ません。
付け焼刃的に、ごまかすようなことであってはいけないのです。
そもそも消費税をなくすとどうなるのか
そもそも消費税は上げないといけないのでしょうか。
実は消費税が導入されたときから、法人税率はずっと下がり続けています。
ご存知でしたでしょうか。
ちょっと乱暴に言えば、消費税で増えた税収増と法人税の税収減とトントンぐらいなのです。
一方、日本の国債残高は政権が自民党であろうと、民主党であろうと、増加の一途です。
国債を「借金」と呼べば、大変な財政状態と言えます。
未来を担う子どもたちにたくさんの借金を残してはいけません。
私もそれは望んでいません。
だから財政再建のために増税が必要なのです。
国民の皆さん、我慢してください。
BY 財務省。
聞けばもっともですが、はたして消費税を上げなければいけないのでしょうか?
マクロ経済学では、債務が大きくなることは決してマイナスではないとする考えもあります。
会計の世界でも「貸借対照表」でみれば債務が増えれば資産が増えます。
全体の大きさが大きくなれば、それは経済成長とみなします。
つまり、債務が増えること=よくないこと、ではないのです。
国債を発行して買っているのは誰でしょうか。
今もっとも買っているのは日本銀行です。
外国ではありません。
ギリシャのように財政破綻したらどうなるのか、という意見もありますが
わが国の場合に照らしあわせて議論する必要があるのではないではばいでしょうか。
また、たくさんの紙幣が国中に出回っているので、
インフレの危機ですとか、出口戦略なんてことが言われています。
はたして世界の経済関係の中で日本を考えると、インフレが起きるのでしょうか。
マクロ経済学ってのは、全く分かりません(苦笑)。
ただ一つ言えるのは、
日本の財政がひっ迫しているので消費税を上げるのはやむなし
ではないような気がします。
皆さんはどうお考えになりますか。
この答えは10人いたら10人答えが違うかもしれません。
だからこそ、勉強や議論が必要なのではないかな、
ポイント還元とか、そういう問題ではないと思います。
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2019年3月1日
個人事業主様には押さえておいてほしい、経費になる税金
さて確定申告も後半戦です。
個人事業主様から最も多い質問は
「これって経費になりますか?」
があります。
費用になるということは、売上に何らかの貢献があることが必要です。
ですので判断基準として、
事業収益をあげるのに通常必要なもので、直接的なもの
となります。
したがって税金でも経費になるものがあります
これらは意外と勘違いしやすいので、個人事業主様にはぜひ押さえておいてほしいです。
会計上は「租税公課」という科目で表します。
個人事業税は経費です
経費性の判断は先にも述べました。
例えば自動車関連の税金。
事業で自動車を使っていれば、当然に自動車税、重量税は経費になります。
細かく言えば、ガソリン税や軽油税も租税公課ですが、
運送業などでなければ、租税公課でなく燃料費として処理しても、税務調査で指摘を受けることは少ないようです。
(税務調査では消費税計算で問題になります)
契約書や高額な領収書に貼るような印紙、これも租税公課として経費となります。
事業が軌道に乗ってきて、所得が出ると個人事業税がかかります。
個人事業税は所得が290万円を超えると、市町村から納税通知が届きます。
起業したてのころは来ないことが多く「突然来た!」「何これ?」とびっくりされます(笑)
個人事業税は、290万円を超える部分に税率をかけて計算します。
税率は事業内容によって異なり、3~5%です。
この個人事業税は経費になります。
市町村から納税通知が来るので、意外と経費だと思っていない方もいらっしゃいます。
ご注意くださいね。
消費税の経費はタイミングによる
消費税も経費になりますよ。
税抜き経理をしていれば、予め利益が消費税分をマイナスして計算されていますので、
経費にするというより、すでに利益計算上引かれているって感じです。
一方、税込み経理ですと、決算申告時に消費税計算をする場合が多いですね。
そうすると決算でようやく消費税額が分かるのですが、決算処理は翌年に行っています。
では経費になるタイミングはいつ?
消費税は支払ったときに経費にします。
しかし未払い経理をしておけば、その決算の年の経費として認められます。
つまり納税をした年、決算の年、どちらかを選択して経費にすることが可能となります。
ただ会計には継続性の原則といって、毎年同じように経理してくださいね、となっていますので、
毎年処理方法を変えるのは好ましいことではありません。
所得税と住民税は経費にならない
確定申告で計算して納める所得税、
申告によって計算され5月ごろに市町村から納税通知が来る住民税、
これらの税金は、経費にはなりません。
事業に直接要する費用でないことから、理由はあきらかですね。
おや?
そう思ったら信頼のおける税理士に聞いてくださいね。
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2019年2月18日
青色申告の取り消し
さて、確定申告の受付が始まりました。
これから一か月間、私たち税理士は繁忙期です。
税理士が関与している事業主様は青色申告の方が多いです。
青色申告は特典があり、届け出を出して、しっかりお帳面を作れば、かならず節税になります。
一方で取り消されることもあるのです。
期限後申告となった場合
確定申告の期限は3月15日です。この期限に間に合わず、申告したら「期限後申告」となります。
電子申告なら大丈夫ですが、郵便物などは消印基準となるので、夜にポストに入れたのだけど、集荷が翌日だったりすると期限後申告になってしまいます。
昔はエックスパックは信書扱いでなかったため、消印基準の対象とならず、到達基準で基準後申告になった…こともあります。
期限後の申告は加算税などペナルティが課せられるだけでなく、
2事業年度にわたって連続して期限後申告を行った場合、青色申告の承認が取り消されてしまう
ことになります。
うっかりが無いようにしたいものですね。
仮装・隠ぺいがあった場合
仮想隠蔽とは、悪意を持って税金をごまかす、所得を隠すなどの行為です。
国税庁は仮装隠蔽行為の要件について、次のように例示をしています。
- いわゆる二重帳簿を作成していること。
- 帳簿、原始記録、証憑書類などを破棄又は隠匿していること。
- 帳簿書類の改ざん、虚偽記載、相手方との通謀による証憑書類の作成、帳簿書類の意図的な集計違算。
- 帳簿書類の作成又は記録をせず、売上その他の収入の脱漏又は棚卸資産の除外をしていること。
内容を見れば、あきらかに悪いことしていますね~
嘘はいけません。
ペナルティも重く、追徴の税金額の40%の罰金が加算されます。
この仮想隠蔽の金額が大きいと青色申告の取り消しがなされます。
複式簿記の帳簿で作っていない場合
青色申告の要件は複式簿記で計算書類を作ることです。
ですのでこの帳簿を作っていない、税務署から提出・閲覧を求められても応じない、帳簿作成の指導に従わない
と青色申告を取り消されます。
青色を取り消されると、一年間は白色申告となり、様々な特典が受けられません。
これもまたもったいないですね。
正直に、誠実にお帳面をつけ、ごまかさず申告する。
これが大切になります。
「ちゃんとやっている」そう独断で判断せず、専門家に見てもらいましょう。
税理士に相談したり、見てもらうと安心できると思います。
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2019年2月1日
青色申告の特典
まもなく確定申告が始まります。
2月16日から3月15日までが申告の時期です。
個人で事業をしている皆さまは決算書の作成に忙しい時期ですね。
もちろん青色申告を選択されていますよね!?
「え?していない」
それはもったいないお話しです。
青色申告の特典
申告の方式は2種類あって青色と白色の申告があります。
青色申告をしようとするなら税務署の予め届け出をしておきます。
昔の申告書はすべてが紙ベースでした。
だから青色申告の申告書は青色だったんですよ!
もちろん用紙が違うだけではありません(笑)
青色申告には特典があります。
主なものは次の4つです。
青色申告控除がある
純損失を3年間繰り越せる
家族への給料を全額経費にできる
30万円未満の償却資産を一時期で必要経費にできる
青色申告控除とは
税金計算では、利益に税率をかけて税金を計算します。
青色申告なら、その利益からさらに65万円(2020年からは電子申告が要件となります。紙申告なら55万円)を引いてから税率をかけるのです。
つまり65万円に対する税金が節税になりますね。
青色申告を選択すると、帳面をしっかり作らなければなりません。
「複式簿記」の方法で決算書を作るのですが、手書きで作るなら簿記2~3級レベルが必要です。
しかし今は安価な経理ソフトがたくさんあります。
お小遣い帳や家計簿を書けることができる人なら、そんなに難しくはありませんよ。
純損失を3年間繰り越せる
もし赤字が出てしまったら、税金計算はどうなるのでしょう。
もちろんその年は税金はかかりません。
しかし青色申告を選択していると、赤字の分を翌期へ繰り越すことができるのです。
例えば100万円赤字が出たとしましょう。
その年は税金がかかりません。
翌年に100万円利益が出たとします。
普通なら100万円に税率をかけて税金を支払うのですが、
繰り越してきた赤字100万円と利益の100万円を相殺します。
すると所得はゼロとなってしまうので、翌年も税金を支払わなくて済むのです。
事業を始めた年は、まだ売上もおぼつかなく、経費もたくさんかかります。
赤字となることも多いので、開業するときは青色申告の選択をしておくといいですね。
家族への給料を全額経費にできる
小さいお商売だと、配偶者と二人で力を合わせて事業していくことも多いですね。
税法上は配偶者への給料は制限がかかります。
お手盛りで身内にお金を支払うことができるのに、それを経費と認めると税金逃れになる恐れがあるからです。
しかし青色申告なら、従業員へ支払う給料と同じ取り扱いで経費となります。
注意するのは、配偶者控除が受けられなくなることと、青色申告の届け出とは別に届け出が必要になるということです。
30万円未満の償却資産を一時期で必要経費にできる
お商売に使う備品や車などは固定資産といいます。
これらを買うために支払ったお金が10万円以上だと、全額がその年の経費になりません。
固定資産は、何年にもわたって売上を得られる効果があるとみなされるので、取得に要した費用は毎年に振り分けて分割していくのです。
これを減価償却といいます。
青色申告だと10万円以上30万円未満の固定資産なら、買ったその年の経費とできます。
パソコンやデスク・チェア、ひょっとしたら中古車なども対象になるかもしれません。
いずれかは経費になるのですが、やはり支出があったときの税金が安くなる方が有難いですよね。
このように青色申告の特典はなかなか節税になります。
お商売を始めるときなどは、ぜひ税理士に相談してみてくださいね。
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