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榊原輝重税理士事務所

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名古屋発 税理士アニキの感動!笑売

2018年4月20日

法人と個人事業の選択~その1~

個人事業をしている方から、よくいただく質問として

 

 

法人化をするとしたら、いつがいいですか

 

があります。

 

 

法人の税率は

 

この質問の背景にあるのが、所得税と法人税の税率の違いがあります。

税率は毎年の税制改正でよく変わるので、注意が必要ですが

この記事を書いている30年4月現在の税率を見てみます。

 

法人税の税率は一定で、23.2%です。

しかし中小企業には税金をまけてくれます。

ここにも「弱者保護」の思想が現れていますね。

 

中小企業の場合、

所得(もうけ)が800万円までは19%です。

 

しかも時限立法で向こう2年はさらにおまけしてくれてまして15%となっています。

 

いや~助かります!

 

とはいえ、支払う税金は法人税だけでなく、住民税である県税や市税、加えて事業税もあります。

それらを足すとどれくらいになるのでしょうか。

これを実効税率といいます。

 

 

新聞などでは大企業の実効税率が報道されます。

今ですとおよそ35%くらいですね。

諸外国に比べて…というときは大概この数字をさします。

 

それに対して、私たち税理士が関わる中小企業の実効税率は25%くらいです。

 

1,200万円利益が出たら300万円を納める、そう理解しておいて下さいね。

 

 

 

個人事業の税率は

 

では個人事業の税率はどうなっているのでしょう。

 

所得税では、累進課税といって所得(もうけ)が増えていくと税率が高くなります。

つまり所得が低い人は税金は安くするという仕組みです。

これも「弱者保護」の思想が効いていますね。

 

では税率はというと

 

所得が195万円まで 5%

所得が195万円から330万円まで 10%

所得が330万円から695万円まで 20%

所得が695万円から900万円まで 23%

所得が900万円から1,800円まで 30%

所得が1,800万円から4,000万円まで 40%

所得が4,000万円~ 45%

 

ここで知っておいていただきたいことがふたつあります。

ひとつは、税金がかかるのは「所得」であって「収入」ではありません。

そして、税率はそれぞれの段階でかけて計算するということです。

 

例えば個人事業での利益が1,200万円の人だとどうなるのでしょう。

 ざっくりと考え方だけを説明したいので所得控除などは考慮しません。

 

「収入」は売上、「所得」は利益、そう考えてください。

 

利益は1,200万円であれば、これを所得と読み直します。

 

おお、所得は1,200万だから税率は30%で、

税金は1,200万円×30%=360万円。

おっと、これは早合点です。

 

税率はそれぞれの段階での税率をかけて計算しますので、所得税はもっと少なくなり、242万円となります。

 

個人の場合、住民税は一律10%ですので、1,200万円×10%=120万円

あわせて、およそ362万円となるわけです。

 

 

 

 

では、どれくらい儲けが出ると法人がおトクなの?

 

 

 法人税で納めるか、所得税で納めるか

どちらがおトクかという視点で見てみましょう。

上記でみたように、

個人事業での利益が1,200万円なら362万円。

これを法人の利益とするなら300万円です。

なんだか法人の方が少なそうな気がしますね。

 

 

法人となれば、会社から事業主様は「給与」としてお金をもらうことになります。

すると利益1,200万円をすべてお給料としてもらうとすれば、

給与所得には給与所得控除といって、給与の経費相当分として220万円が非課税となりますから、

(ここが節税のポイント)

1,200-220=980万円が給与所得となります。

所得税は170万円、住民税を加えても270万円となるわけです。

 

法人にした方がぐっと支払う税金が少なくなりそうです。

 

実際は、各種の所得控除も考慮して計算するので、正しい税金額は変わります。

少し荒っぽい言い方になりますが、事業の利益が800~900万円を超えて続くようなら、

法人化したほうが納める税金は少なくなりそうです。

税理士さんに一度シミュレーションをお願いするといいでしょう。

 

 

しかし!

法人化は納める税額のみで決め手にはなりませぬぞ。

他にもメリット、デメリットがありますから、

法人を作って将来どうしたらいいか、何をしたいのかをしっかり考えてくださいね。

 

そのあたりは次回へ。

 

 

 

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2018年3月23日

医療費控除の申告現場から思うこと

 

確定申告が終わりました。

 

お客様にも、

スタッフであるシャインズの皆さんにも

助けられ、無事過ごすことができました。

 

感謝です。

ありがとうございます!!

 

 

税理士会主催の無料相談

 

確定申告時期には、

税理士会の会務で「無料相談」が区役所で行われます。

 

これは正しい納税を推進すると同時に、税理士会の公益性から地域の方へのボランティアという意味もあります。

 

ですからお越しになる方の多くはお年寄りで、

年金を受け取っているような方がほとんどなんですね。

 

 

 

医療費控除の変更

 

さて、今回の申告から変更になった点で「医療費控除」があります。

医療費控除はたくさん医療費がかかった方は大変なので、税金をおまけしてあげるという趣旨のものです。

 

だから「私はこんなにも医療費がかかりました~」と申告すれば税金がまかります。

 

医療費控除の意外と知らないシリーズ。

 

  • 自由診療でも医療費控除が受けられる
  • 家族分をまとめて計算できる
  • 未払いは計算対象にならない
  • 保険などで補助が受けられる、受けられそうなものは金額から差し引く
  • 歯列矯正など高額でも受けられる

 

全部がイエスです。

 

それで今回の変更は何かというと

薬局でのお薬を購入が対象になるセルフメディケーション税制

申告に使う用紙が変わって領収書を提出しなくてもよい

ことになったのです。

 

領収書を提出しなくてもよい、これは申告する方にとっても税務署にとってもメリットはあると思います。

確かに税務署の方も大量の領収書をチェックするのも、保管する場所も大変だわ!と思います。

 

ただ領収書を添付しなくてもいいのは、今回から新しくなった用紙を使って申告した場合のみ。そして、

 

 

その用紙を使わないと医療費控除が受けられない!!

 

ということなのです。

問題なのは、申告に来たお年寄りたちのほとんどが、それを知らなかった!!ということです。

そりゃ確かに様式に沿って書かないといかんと思うけどさ…。

 

 

税金の思想は弱者保護ですぞ

 

 

さすがに国税庁も鬼ではありません(苦笑)。

向こう3年間は今まで通り、領収書を提出すれば医療費控除は受けられるそうです。

言い換えれば3年後からはきちんと様式通り書かないと、

たとえ領収書を出したからといって医療費控除は受けさせませんぞ、

となったのです。

 

 

いや、弱者保護の思想からすると、ちょっと優しくない!

そりゃあ、納税は国民の義務であるけれど。

「お上」のやり方っぽくないですか?

 

『もうちょっと税金を納めている国民の皆さんに寄り添ってほしいな~』

とお年寄りの申告を手伝っているときに思いました。

 

 

 

 

 

 

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お楽しみに!

 

2018年2月15日

保険金の受取りは思わぬ課税があるので要注意

さて、確定申告が始まりました。

税理士事務所も本格的な繁忙期が始まります。

 

 

保険金の課税関係は大丈夫?

 

保険金を受け取ると税金がかかります。

この時期、確定申告で取り扱うのは「贈与税」と「所得税」になります。

皆さんが入っている保険はどの税金がかかるのかご存知でしょうか?

うっかり税金がかかってきた、なんてことがないようにしたいですね。

 

 

税金を判断するために知っておくこと

 

 

保険金の課税を整理していきましょう。

まずは「契約者」「被保険者」「受取人」この3つを理解してくださいね。

 

契約者…生命保険会社と保険の契約を結び保険料を負担する人

 

被保険者…その人の生死・ケガ・病気などが保険の対象となっている人

 

受取人…保険金を受け取る人

 

 

そして保険にまつわる税金は3つです。

そして税金が安い(負担が少ない)順に

相続税<所得税<贈与税

となります。

 

ちなみに、所得税では契約内容によっては雑所得として計算する場合(年金保険)と、

一時所得として計算する場合(満期保険金)があります。

 

 

かかってくる税金を判断するポイントは

 

契約者と被保険者が同一か

契約者と受取人は同一か

 

となります。

 

 

あなたが入っている保険はどのタイプ?

 

 

具体的に見ていきましょう。

契約者と被保険者が同じケースとしては、父が死亡保険に入って保険料を支払っておき、自分が死んだら家族に保険金がおりる、ものです。これは相続税がかかります。

 

また契約者と被保険者が同じケースでも、保険料を定期で支払い、満期の時期が来たら保険金がおりる、ものがあります。

これは贈与税所得税がかかります。

 

この場合、契約者と受取人が同一であれば、所得税の一時所得で計算します。

 

一方、契約者と受取人が別人であれば、受け取った人に贈与税がかかるのです。

贈与税は税率が高いので、受取人を決めるときは要注意ですよ。

 

あれ?自分が契約したけど、受取人は子どもにしてしまったぞ!

なんてこともあるかもしれません。

ただ、契約途中で受取人を自分に変更しておくことも可能ですので、

もし受取人を妻や息子にしている、なんて方は検討してみてくださいね。

 

 

最も辛いうっかり

 

 

それから最も注意してほしいのは、満期保険金で契約者と保険料の支払い者が違っていた場合です。

例えば、妻を契約者としたけれど、保険料は夫である自分の銀行口座から引き落とされている、なんてケースです。

 

もちろん夫婦ですから生計同一ですし、お金が家計から出ていくには違いないので、

契約時はうっかり見過ごしてしまいがちなのです。

 

税務ではお金を負担している人で判断するので、契約者が妻だとしても、

受け取った満期保険金には、夫から妻への贈与として、しっかり贈与税がかけられてしまいます。

 

満期保険金が500万円で、支払った保険料が400万円だとします。

一時所得であれば、課税される所得は25万円となり、税率が10%であれば25,000円が支払うべき税金となります。

これが贈与税になると、53万円(特例贈与なら48.5万円)が支払うべき税金となります。

この差にはびっくりしますね!

 

 

保険の営業マンから契約時には、税金についても説明があるので大丈夫と思いますが、

心配でしたら一度ご自身が入っている保険について、税理士さんに相談してみてもいいかもしれません。

 

 

 

 

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お楽しみに!

2018年2月2日

子どもの貧困とシングルママ

子どもの貧困率

 

先日、愛知県が主催する「子どもの貧困」について考えるシンポジウムに行ってきました。

2012年の調査で、子どもの貧困率が16.1%、6人に一人が貧困となっているデータに、衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。

私もその一人です。

 

愛知県は、自治体として貧困対策のための調査を、沖縄県に引き続いて全国で2番目に行いました。

愛知県はモノづくりと農水産物が豊かで、県民の所得も安定しており、貧困率は5.9%と全国平均からかなり低い数字でありました。

 

とはいえ、何もしなくても良い、というものでもありません。

貧困にあえぐ子どもがひとりでもいる限り、手当を続けていかねばと思います。

親の貧困が子どもの貧困に連鎖する、これはデータから立証されています。

子どもの未来は明るいものであってほしい、

どの子にも等しく成長の機会と笑顔が行きわたることを願うばかりです。

 

私たちに何ができるのでしょうか。

 

 

子どもの貧困家庭の半数超がひとり親家庭

 

貧困家庭の半数超がひとり親です。これは愛知県も全国平均も変わりません。

ひとり親、特にシングルママへの支援は欠かせないのです。

男尊女卑とまで言いませんが、やはり男女間の賃金価格差はあきらかに存在しています。

母子家庭の母親の9割強は仕事に従事しているものの、

OECD(海外諸国)のデータと比較して貧困率が高い、と指摘されています。

働けど、お金がない。

だから長時間働く、環境の悪いところで働く、それが子どもの育ちに悪影響を与える、

そんな悪循環を引き起こしているのです。

 

 

法律上の結婚をしなければ税の救いが受けられない

 

ある人がつぶやきました。

「私の友人なんだけど、未婚の母でさ、寡婦控除が受けられないんだよね…」

 

そうなのです。

税金の世界では、ひとり親支援の前提は法律婚ありきで設計されているのです。

 

所得税法法上の「寡婦」は以下に規定されています。

・夫と死別し、または夫と離婚した後、婚姻をしていない人

 

配偶者控除もそうです。

・「配偶者」とは、婚姻の届出を出している配偶者をいい、いわゆる内縁関係の人は含まれません

 

相続税法でも同じく、内縁関係の人は相続人としてカウントされません。

 

「じゃあ、籍を入れれば済むじゃないか」

「結婚をしない選択をしているのは個人の判断でしょう」

 

そう意見をいう方もいらっしゃいます。

もちろん、その意見に反論する気はありません。

 

 

しかし

税の世界の根本思想である「弱者保護」に立てば

本来意思決定に参加できていない子どもに、

つらい環境となるのは私は看過できません。

 

 

貧困家庭を救うために、全国で「子ども食堂」が増えています。

子ども食堂ではボランティアでなさる人がたくさんいます。

それはとても有り難いことで、素晴らしいです。

 

とはいえ、善意の方にすべてを頼るのも不足でしょう。

 

税制や民法には、時代に合った変化と弱き者、特に子どもへの支援を期待したいものです。

 

 

 

 

 

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お楽しみに!

2017年12月20日

平成30年の税制改正は・・・

毎年税制は変わります

 

税金ってどう決まっているのか、ご存知でしょうか。

税は国家なり」とも言われ、国家運営では税金はとても重要な役割を果たします。

 

日本は民主義国家で、国民主権(=国民が主人公)と定められています。

憲法は全ての法律が従わないといけない「最高法規」として位置づけられています。

 

その憲法84条にはこう定められています。

 

「あらたに租税を課し、

または現行の租税を変更するには、

法律または法律の定める条件によることを必要とする」

 

これを租税法律主義といいます。

 

 

法律に書くことで次の二つが確保されると言われています。

 

 

課税の要件が簡単に変わらない

政府の解釈が簡単に変わらない

 

政府が、今年は税金が足りないからこれだけ集めよう、とか

去年は税金をかける収入は1000万からだったけど、今年は500万からにしよう、とか

簡単にされたら困りますよね。

だから法律にちゃーんと書くんです。

その法律は年明けの通常国会で毎年審議され、決まることになります。

 

 

 

与党の税制大綱

 

ではその原案はどう作られるのでしょうか。

法律作りは通常国会が始まる新年1月の前年、秋から準備されます。

原案を作るのは税制調査会ですが、

実は税制調査会には「政府税制調査会」(=政府税調)「自民党税制調査会」(=与党税調)の二つが存在しているのです。

 

分かりにくいですね。

 

政府税調は財務省と総務省が主体となり、与党税調は自民党(与党)が主体となり作られます。

お互いが意見交換され調整され出てくるのですが、今までの政治では与党税調で定められたものが優位になっているようです。

その意味でも与党税調でまとめられる税制改正案が最も重要となるわけです。

例年12月に与党の「税制改正大綱」が周知されるのですね。

 

 

後出しじゃんけん

 

数日前に与党の来年度税制改正大綱が決まりました。

内容は新聞やニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、「個人増税の目白押し」。

 

しかも高所得者だけではなく、広く多くの国民が増税になるのです。

 

所得税の増税だけではなく、たばこの増税、

新たに国際観光旅客税、それから森林環境税など、数えたらきりがありません。

 

秋に行われた選挙では、消費税増税の課非については争点でしたが、

これほどの増税がでてくるなど思っていませんでした。

しかも意外なのは富裕層や儲けを出している法人への課税が棚上げになっていること。

 

 

私は現在の日本の財政状況から、将来の子どもたちのことを考えれば

増税はいたしかたないとは思っていますが、

一方で税金の大切な思想である

「弱者保護」の観点が疎かになっている気がしてなりません。

 

取りやすいところから取る。

 

しかも選挙が終わってからの、後出しじゃんけん。

ワタクシ、かなり怒ってます!

 

 

次の選挙まで、国会議員の先生方が決めることは、しっかりチェックしていきたいと思います。

皆さんも、選挙は終わってからが大事、そう思っていただきたいです。

 

 

 

 

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お楽しみに!

 

 

 

2017年10月20日

なんだか難しい配偶者控除。判断基準はナニ?

選挙カーが事務所の外ではひっきりなしに走っています。

まもなく衆議院選挙です。清き一票を~

税をどうしていくのか、代議士の先生方には大いに議論していただきたいところです。

 

配偶者控除が変わりました

 

さて

平成29年度の税制改正では配偶者控除の見直しがされています。

これも代議士の先生方が議論して決めたことの一つです。

それで、どう変わったの?ということですが

 

103万円が150万円に引き上げられた

 

これが世の中の皆さんの共通認識でしょうか。

しかし視点がずれてしまうと

「え?そんなことだったの」

と間違えてしまいそうなんです。

 

ややこしや~

 

 

説明しますね。

この改正で誰の税金がトクになるのかを考えると分かりやすいです。

モデルケースとしては専業主婦のいる家庭、

夫が主な稼ぎ手として働き、妻は補助的にパート収入を得ている、そんな家庭です。

 

10月を過ぎると、世の中のパートで働いている主婦の皆さんは、働く時間を調整し始めます。

それは103万円を超えないようにするためなんですね。

なぜでしょうか。

妻の収入が103万円を超えると税金が増えてしまうからです。

では、誰の税金が増えるのか、この視点が大切です。

 

103万円を超えると

 

夫の税金が増える

これが答えです。

 

 

わが国の所得税は累進課税と言って、所得が多い人の方が税金が高くなります。

ですので、世帯収入で考えれば夫の方が高い税率ですから、

妻の収入を抑えて、夫に配偶者控除してもらう方がトクということになるのです。

 

 

この金額の上限が103万円から150万円に引き上げられたのです。

妻のパート収入が150万円なら今までと変わらず、夫の税金は増えません

 

さらに、配偶者特別控除としては200万円までなら夫の税金は安くなる設計となっています。

 

つまり、パートで働いている主婦に皆さん、もうちょっと働いてください、

ということです。

夫の税金は増えない線引きが150万円にあるのですね。

 

 

 

でも私の税金はどうなるの?

 

しかし視点を変えます。

妻である自分の税金はどうなるのか?です。

 

いままでは103万円までなら税金はかかりませんでした。

正確に言えば国税はかかりませんでした。

 

住民税は市町によって課税される金額が90万円から100万まで様々です。

だから103万円までにしたからと言って税金がかからないわけではありません。

住民税がかかるようになると、介護保険料がどんと増えたり、市町の行政サービスを受けることに影響が出ますので注意してくださいね。

 

それで話を元に戻します。

答えは。

 

 

103万円を超えたら私本人(妻)には税金がかかってきます

 

えええ~

 

そうなんです。夫の税金は助かりますが

私本人(妻)にはちゃんとかかる(苦笑)。

 

 

130万円の壁と世帯収入の壁

 

 

社会保険はサラリーマンの妻であれば、パート収入が130万円までだったら

夫の扶養となり保険料も年金も支払わなくても良いことになっています。

これを「130万円の壁」なんていいます。

 

130万円を超えるとどうなるか。

社会保険は夫の扶養から外れ、健康保険と国民年金を自分で支払うことになります。

 

また今回の改正では

世帯収入が多いと控除額が減額されます。

つまり減税効果が薄まるということです。

まぁ、高所得の方は税率が高いので減税効果も高くなりますから、金持ち優遇といわれるのを避けたのでしょうね。

 

 

 

ということで、ホント分かりにくいというか、

で結局どう判断すればいいのと思ってしまいますね。

 

 

 

個人的には全部の壁を取っ払ってしまって

税金も社会保険も個人単位で負担してもいいのかな、と思います。

 

とはいえ考え方や生き方も様々ですから

選挙の時くらい、じっくり考えてもいいかもしれません。

 

 

 

 

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お楽しみに!

2017年10月6日

年末調整、その前に!点検してください

ひと雨ごとに秋が深まっていきます。

朝晩は涼しくなりました。あっという間に年末が来ちゃいますね。

 

 

年末調整って?

 

年末といえば、税務会計での一大お仕事、年末調整です。

経理の方は忙しくなりますね。

 

年末調整とは、サラリーマンの確定申告です。

日本は源泉徴収制度が導入されています。

 

源泉徴収とは、給与や報酬などの支払う側が、あらかじめ所得税を差し引くことを指します。

いわゆる天引きですね。

 

差し引いた税金は、支払い側、つまり会社や事業主様が税務署に納付することになっています。
 

 

これは所得税の仮払いですので、年末に確定申告を会社(事業主)が本人の代わりに行って税額を確定させます。

 

日本の源泉徴収制度の特徴は

 

多めに天引きしている。

だからほとんどの方が還付になる。

 

還付だから「やった~、お小遣いが増えた!」と喜んでいるあなた。

もともと手元にあって自由に使えたお金なのですよ。

利息をもらわないかんでしょ(笑)。

 

外国で源泉徴収制度を取り入れている国は意外と少ないです。

ヨーロッパではフランスがそうですが、ほとんどが申告をして追徴で納めるようです。

 

 

徴収の仕方は2種類

 

さて徴収する側である法人様や事業主様に注意してほしいことがあります。

 

徴収は2種類あって(正確には3種類ありますが実務的には2種類です)、

ひとつが「甲欄」課税、ひとつが「乙欄」課税です。

「甲欄」と「乙欄」では、同じ給料でも徴収する税金額が違います。

 乙欄はかなり高い金額となります。

「甲欄」は特別に安くなる、そう覚えてください。

 

 

調査では甲欄と乙欄が見られる

 

法律では「甲欄」に該当するのは主たる事業所から給料をもらう、

「乙欄」に該当するのは従たる事業者から給料をもらう場合となっています。

 

正社員なら「甲欄」、アルバイトやパートさんなら「乙欄」と考えていただければ良いです。

税務調査では調査官は「甲欄」になるか、「乙欄」になるかしっかりチェックしていきます。

もし追徴されると加算税(10%)や延滞税が遡って事業主さんにかかってきます。

他人の税金であっても容赦ありません(トホホ)。

 

 

甲欄になる要件

 

だから従業員さんが「甲欄」に正しくなっていれば安心です。

ここがポイントになるのですが、「甲欄」になるためには要件があるのです。

 

それは

 

扶養控除申告書(通称マル扶)が会社に備えおいているか

 

 

例え正社員だとしてもマル扶がないと「乙欄」になってしまいます。

調査で指摘されたら後の祭りです。

差額分は会社が納めなければならず、かといって従業員から徴収しなおすのも要らぬ軋轢を生む可能性があります。

従業員が在籍しているならまだ徴収し直しもできるでしょうが、もう退職していたら泣き寝入るしかありません。

 

 

また兼業の場合(アルバイトさんやパートさんの場合)、マル扶は一か所しか有効ではないので、念のためにもらっておこうというわけにもいかないのです。

もし誤って二か所に出ていると「先に」もらっていた事業者が優先的に認められますので注意が必要です。

流動性の高い職場、アルバイト、パートさんが多い職場は気を付けて下さいね。

 

 

実務的には年末調整の袋が届いてから、マル扶を書いてもらっているところもあるようです。

年度を間違うと、既にやめてしまった人の分が足りず、調査で「乙欄」で追徴なんてことになりかねません。 

 

 

日ごろからしっかり準備しておいてくださいね。

思い立ったら吉日、マル扶を従業員からもらっておいてくださいね。

「おや?」

そう思ったら信頼のおける税理士にぜひお尋ねください。

 

 

 

 

 

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お楽しみに!

2017年9月1日

固定資産台帳の管理は宝の山?

固定資産の台帳は作っていますか

 

事業を行うには様々な固定資産を購入して利用しますね。

営業に回るなら、自家用車。

工場で製品を作るなら、ラインに配置された機械。

事務所なら、OA機器。

 

これらを会計では固定資産といいます。

使っていくうちにその資産価値が下がっていくものを特に減価償却資産といっています。

 

皆さま。固定資産は台帳を作ってしっかり管理していきましょう。

税務では宝の山?なんてこともありますよ。

 

 

固定資産は税務と会計で取り扱いが違う

 

固定資産は税務上と会計上とでは違う取り扱いがなされたりします。

その税務上においてでさえ、国税と市税では取り扱いが違ったりするので要注意です。

 

税務では政策誘導がしやすいため、毎年のように特別措置がなされたりするんですね。

 

減価償却費の計上は会計では毎年しなくてはなりませんが、

法人税法では、あえて「しない」という選択も認められています。

 

例えば、工場経営をしているような法人様で、

今期は赤字が出ているからあえて減価償却費の計上を控えて黒字決算にする、なんてこともあります。

 

 

 

除却損を計上して節税

 

固定資産をたくさん持っている会社では、

何年も経つと、もう使わなくなったよ、という固定資産も増えてきます。

 

 

そんな時は「除却損」を計上しましょう!

利益が減り節税効果が得られます。

 

 

注意してほしいのは、そのタイミング。

 

使わなくなった、廃棄した、その事実を確認できるようにしておくことが重要です。

税法では、除却があった事実が認められないと経費として認めてくれないのです。

 

今年は利益が出ているから、「え~~い」とまだ動いている機械まで除却!!なんてしても後で困ったことになります。

税務調査の時に「恣意的に資産を除却して利益を減らした」と言われないようにしてくださいね。

 

 

お客様から相談があったら、

スクラップにしたときに写真を撮ったり、

廃棄業者に廃棄証明書を書いてもらったりすることもあります。

 

その意味でも固定資産台帳でしっかり管理しておくことは大切なんですね。

 

 

 

数年前に廃棄してしまったけど、会計の処理を忘れてしまって

まだ貸借対照表に資産として残っている・・・。

使わなくなって倉庫に入れてる・・・。

 

 

 

こんなケースは専門家に相談してください。

簡単に「除却損」としてその年の経費にしてしまうと、問題になってしまう可能性があります。

税理士なら丁寧に相談にのってくれると思いますよ。

 

 

 

 

 

 

 

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お楽しみに!

 

2017年8月7日

奥様はみなし役員?

日本の多くの会社が同族会社 

 

日本の多くの会社が中小零細会社です。

企業数でいえば99.7%。

従業員数でいえば66.7%

が中小零細企業です。

 

中小零細企業では、家族経営、いわゆる同族会社であることがほとんどです。

奥様が役員の会社も多いことでしょう。

法人にするメリットにする一つに、奥様が役員であれば報酬額が自由に決められることがあります。

(とはいえ、月に●百万などあまりに高額だと問題になる場合もありますけどね)

 

所得税では累進課税方式ですので、給料の額が上がれば税率が上がります。

つまり社長ひとりに月額100万円の給料を出すより、

社長と奥様に50万円ずつお給料を出した方が、家庭が負担する税金は減るということです。

 

 

役員賞与は課税対象

 

注意してほしいルールが法人税にはあります。

それは、

 

役員のお給料は経費です。

しかし、賞与は経費として認めません。

 

どういうことかというと、役員への賞与は会計上は経費だけれども、税務上は経費として認めれれないので税金計算するときに所得を増やすのです。

 

役員は登記をすることになっています。

 

「ウチの奥さんは役員に登記をせず、単なる従業員扱いにしておこう」

そう考える社長さんもいらっしゃいます。

 

税務調査の時にはこんな質問がなされます。

 

「奥様の給料が他の従業員と比べてとても高いと思うのですが、なぜですか?」

 

「彼女は私の仕事をとてもよく理解してくれている。

会社の経営や従業員の処遇など、いろいろ相談して決めている。

だから当然給料は高いんだ」

 

「賞与も出していますよね」

 

「ああ、従業員と同じように出しているよ。

役員でもないしね。それが何か?」

 

 

みなさん、ここ大切なポイントです。

実は、税務上アウトになる可能性が高いです。

従業員よりかなり高い給与部分や、賞与が役員賞与として認定され、税金がかかってくる可能性があります。

 

 

みなし役員だと課税

 

法人税法では、「みなし役員」の規定があり、

いくら登記されていないと言っても家族従業員が役員とみなされるケースがあるのです。

以下の4つのケースにすべて当てはまるとみなし役員になってしまうのです。

 

1.50%基準

株主グループの所有割合が大きいものからグループ分けしていきます。同じ家族だとグループになり、おじさんやいとこだと違うグループになります。

そのグループ分けで第1順位から第3順位まで集めた株式の所有割合が50%を超えていること。

小さい会社や創業間もないとこのケースが多いですね。

 

2.10%基準

所属するグループの所有割合が10%を超えていること。

メインの株主に近いグループですね。

 

3.5%基準

本人と配偶者の所有割合が合わせて5%を超えていること。

お父さんが先代社長で、跡取りの子どもたちやそのお嫁さんが株式を分散させてもっているケースがこれにあたります。

 

4.経営に従事している

 

ちょっと判断に迷っていましますね。

賞与認定を受けないポイントは

 

 

社長の配偶者や子どもは重要な意思決定には参画させない

所有割合を判定する場合は、配偶者の持ち分も加算して判定

 

とはいえ、やはり専門家に相談したほうが良いですね。

登記していないから奥さんにボーナスを出しても大丈夫だよね、

ちょっとお待ちください。

転ばぬ先の杖、まずは税理士に相談してからにしましょうね。

 

 

 

 

 

 

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お楽しみに!

2017年7月20日

会社設立。資本金の金額はご注意ください。

会社を設立する場合、元手となるいわゆる「軍資金」が必要となります。

 

会社を最初に設立するときに用意する元手となるお金。

それが資本金と呼ばれるものです。

 

 

では資本金はいくら必要なのか。

 

会社法が2006年に改正されました。

それまでは有限会社なら300万円、株式会社なら1,000万円が必要でしたが、

いまは

 

 

1円!でも会社設立!

 

することができます。

 

とはいえ1円ではパソコンすら買えません。

もし私が銀行なら、「この会社はナニ?ペーパー会社?怪しい!」

と思ってしまいます。

 

現実的には、しばらく会社を運営するに足りるお金が資本金として準備することになります。

だから経営計画を立てて出資する金額を決めていくことがほとんどです。

 

最初の出資は自分で用意する自己資本と呼ばれるお金と、

他人資本と呼ばれる銀行融資があります。

 

とはいえ融資も望む金額を無尽蔵に貸してくれるわけではありませんので、

ある程度は自分で用意しなければなりません。

 

その過程の中で金額が決まってくるわけです。

 

 

税務上にはポイントは二つあります。

これをうっかり忘れてしまうと

節税になったのに~

と後で後悔してしまいかねません。

 

 

それは

 

 

資本金は1,000万円と1億円。

 

 

ここが要注意です。

 

まずは1,000万円。

 

設立するときに資本金が1,000万円に満たないと

原則最初の2年は消費税が免税となり支払う必要はありません。

 

時々質問を受けるのですが、「免税事業者なので消費税をかけずに売るのですか」と聞かれます。

それは誤りで、消費税はちゃんとかけて売っていただくことになります。

ただ、納める必要がないので、

その預かった税金は「益税」といって手元に残るのです。

(課税の考え方からは困るのですが、法律上はそうなっているのです!)

 

999万円だとキリがよくないから、じゃ昔の株式会社と同じように1,000万円で、

なんて軽々しく行うと消費税を支払うことになります。

 

 

次は1億円。

 

1億円のラインは

中小企業だけど「あなたはそこそこ優良ね!」

だから大企業並みに頑張れるよねと判断されるのです。

 

 

つまり、1億円以下の中小企業だと、メリットがあるのです。

 

 

1. 法人税を計算する際に、軽減税率を利用することができます

➡ 法人税が所得800万円まで低い税率で計算されます

 

 

2. 交際費は800万円まで、全額を損金にすることができます(平成26年4月1日以降)

➡ 交際費は使っても全部が経費にならない、これが常識。だけど小さい会社なら全部経費として認められちゃいます

 

 

3. 30万円以下の少額減価償却資産が年間300万円まで損金として認められます

➡ パソコンや事務機などお金を使ったときは税金も抑えたいもの。使った分が全部経費となればありがたいですね

 

 

4. 特定同族会社の留保金課税が免除されます

➡ 同族会社特有の税金です。内部留保といって会社にお金を残しても税金をかけるよ、というまさに中小企業に厳しいルールですが、これも免除!

 

 

5. 欠損金の繰り戻し還付が受けられます

➡ 赤字が出たときに、過年度の支払い税金を戻してくれる制度です。

 

 

6. 法人事業税の外形標準課税が免除されます

➡ 大きな会社はその外見に応じた税金を負担しなさい、というもの。中小ならこれも免除です。

 

 

7. 法人住民税の均等割税金が安くなります

➡ 住民税は雇用している人数や資本金に応じて、均等割りが上がっていきます。

 

 

 

節税目白押し!!

 

 

 

会社が大きくなってくると資本金を増やして(これを増資といいます)いく場合も多いですが、

家族経営や同族で経営する会社なら、このあたりの節税も注意しておいてくださいね。

 

 

うっかりがないよう、専門家に確認を取りながら会社設立や増資は進めていきましょう!

 

 

 

 

 

 

 

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